研究課題/領域番号 |
17GS0206
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岩本 正和 東京工業大学, フロンティア研究センター, 教授 (10108342)
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研究分担者 |
黒田 泰重 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40116455)
尾中 篤 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10144122)
犬丸 啓 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80270891)
小松 隆之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40186797)
岡本 昌樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10262263)
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キーワード | ナノ多孔体 / 固体触媒 / 固体酸 / 不斉合成 / 壁イオン交換法 / バイオエタノール / ニッケルイオン |
研究概要 |
本年度は、シリカメゾ多孔体上での酸点発現機構の解明、不斉合成のさらなる展開、Ni担持体の触媒特性の解明の三点を実施した。第1項ではメチルスチレンの二量化反応をモデルとして表面水酸基と酸触媒活性の関連を検討した。触媒の真空排気温度や再水和処理と触媒活性、Q2シリコン種量との間に良好な相関を認め、Q2+Q3シリコンによって形成される3個の水酸基集合体が酸点となることを提案した。第2項の不斉合成ではCu担持系で不斉収率が80%を超える系を見いだすことができ、かなりの進展があった。第3項のNi担持体では、細孔径が小さいほど5員環シリカが多く存在すること、Niイオンは2:1型層状ケイ酸塩を形成していること、Ni+種にはNOが2分子および1分子配位可能な2種類が存在すること等を明らかにした(岩本、石谷、板谷)。 MCM-41中の活性点の状態を検討し、ゼオライト類似の酸点が存在することを明らかにした。また、MCM-41表面上の水酸基の特異性に関して知見を得た(黒田)。ゾルーゲル法により微結晶マグネシアを合成した。得られたマグネシアは均一なナノ粒子の集合体で、その粒子間隙にメソ細孔を有していた。長鎖カルボン酸により細孔径分布の制御が可能であった。これらのマグネシアの塩基触媒特性を比較した(尾中)。高活性な分子選択光触媒であるメソポーラスシリカーTiO_2粒子複合体からTiO_2粒子を選択的に除去し、粒子と細孔の位置関係をより詳細に解析した。ゼオライトーTiO_2粒子混合光触媒上での有機物の分解挙動を明らかにした(犬丸)。TEM、IR、XAFS、H_2-D_2交換反応からMCM-41細孔内での金属間化合物PtGeの形成を確認した。このPtGe/MCM-41はアセチレンの部分水素化に対してPt/MCM-41より高い選択性を示した(小松)。アルミニウムを含むゼオライト結晶コアの上にアルミニウムフリー層を結晶成長させ、ゼオライト外表面の完全な不活性化を達成した。トルエンのメチル化では96%の選択率でp-キシレンが得られた(岡本)。
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