研究課題/領域番号 |
17GS0221
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
長田 裕之 独立行政法人理化学研究所, ケミカルバイオロジー研究基盤施設, 施設長 (80160836)
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研究分担者 |
齊藤 安貴子 独立行政法人理化学研究所, 化学情報・化合物創製チーム, 協力研究員 (40415162)
清水 猛 独立行政法人理化学研究所, 化学情報・化合物創製チーム, 特別嘱託職員 (80087569)
城 宜嗣 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 主任研究員 (70183051)
掛谷 秀昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00270596)
臼井 健郎 筑波大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (60281648)
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キーワード | 受容体 / リガンド / 化合物アレイ / ライブラリー / 蛋白質 / 低分子化合物 / 結晶構造解析 / 標的分子 |
研究概要 |
有機合成化学及び化合物評価研究を強化した事により連携研究が加速した。 1.受容体・リガンドの効率的検出:2種類の化合物を一箇所に固定化したフラグメントベース化合物アレイを開発した。本法を用いて、破骨細胞の酸性化に関わるcarbonic anhydrase IIの新規リガンドを見出した。ヒトp38発現大腸菌の生育遅延をp38阻害剤が解除する現象を利用したスクリーニング系を開発し、新規ベンジルクマリン化合物を見出した。SPRイメージング法により、p38とベンジルクマリン化合物が直接結合する事を確認した。 2.蛋白質と低分子化合物の微視的相互作用解析:Cytotrienin生合成に関わる酵素CytC1と基質、ATPとの微視的構造情報をもとに変異CytC1を作成し、意図したアミノ酸基質を認識する酵素を創成した。Trp代謝の鍵酵素インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ構造を基盤に、生理反応を検討した。酵素(Fe^<2+>)、酸素、Trpの三者複合体生成後の微視的相互作用を解析し、酵素(Fe^<4+>=O)を見出した。 3.蛋白質リガンドの相互作用の実証:プロテインホスファターゼ(PP2A)阻害剤として見出したホスラクトマイシン(PLM)類縁体の一種デアミノヒドロキシ型PLMが、ヒト慢性骨髄性白血病HL60細胞の分化を誘導することを見出し、その作用機構を解析した。また、チロシンホスファターゼ阻害剤RK-682の生合成機構を解析し、新規酵素RkDにより3-oxoacyl thioesterとglyceryl-ACPを基質としてテトロン酸を形成する事を明らかにした。 3チームの連携研究が、生理活性物質の生合成酵素とその基質認識(特に、X線結晶構造解析による微視的相互作用)の解明に迫れたことは特筆に価する。
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