研究課題/領域番号 |
17GS0312
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 成 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60170677)
|
研究分担者 |
石橋 賢一 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80223022)
内田 信一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (50262184)
小林 克樹 国立病院機構千葉東病院, 臨床研究センター, 室長 (40415451)
|
キーワード | 尿崩症 / 膵炎 / 嚢胞腎 / リン脂質結合蛋白 |
研究概要 |
1)AQP2。 AQP2に関しては、FAPP2というトランスGolgiネットワークに存在するリン脂質結合蛋白が、AQP2のPKA依存性のapicalソーティングに必須であることを培養細胞系におけるノックダウンにて示した。興味深いことに、PKA非依存的なapical輸送は、PI(4)Pの枯渇により逆に増大し、この系の詳細を明らかにすることで、バゾプレシン受容体異常による腎性尿崩症への治療法が明らかとなる可能性がある。一方前年度トロポミオシン5bのAQP2のapical輸送への阻害作用を明らかにした結果を受けて、この分子の阻害による尿崩症治療効果を期待して、5bのみを特異的に阻害するsiRNAの作成を試み成功した。 2)AQP11。 AQP11ノックアウトマウスでの嚢胞腎形成の分子メカニズムに関して、近位尿細管表層部では、ERストレスによりアポトーシスが惹起されるのに対し、髄質部ではERストレスが細胞増殖に働いていることを明らかにした。また、DNAマイクロアレイの検討にて、エンドソーム関連遺伝子の減少、オートファジーの亢進を示唆する所見が得られ、現在嚢形成との関わりを検討中である。 3)AQP12 膵臓特異的なAQP12ノックアウトマウスを作成し、膵炎が起きやすいことを明らかにした。その機序としては、AQP12が腺房細胞に豊富に存在する小胞体膜上に存在し、zymogen顆粒の形成に関わっていることが示唆された。また、アルコールなどの原因の明らかでない膵炎患者でのAQP12のSNPを探索したところ、患者群で優位に多いSNPを見いだし、その機能解析を現在行っている。
|