研究課題
骨代謝と免疫系の相互作用を制御する遺伝子の発現解析を網羅的に行い、その結果に基づき重要遺伝子に関する機能解析を細胞培養系で行うとともに、遺伝子改変マウスを用いた個体レベルでの機能解析を進めた。また、免疫細胞と骨格系細胞の相互作用については、炎症性骨破壊性疾患における骨破壊性T細胞の同定を行い、IL-17産生を特徴とするTh17細胞の重要性を明らかにした。【破骨細胞のプロテオーム/トランスクリプトーム解析】破骨細胞分化因子RANKLの刺激によって発現変化のあるタンパク質を種々のプロテオミクス解析により同定した。またNFATc1結合タンパク質を同定した。同定された因子を,トランスクリプトームの結果と合わせて詳細に検討し、破骨細胞分化に重要である可能性のあるタンパク質候補群については、siRNAを用いたノックダウン実験による予備的機能解析を行い、遺伝子破壊実験の対象とする因子を決定した。現在これら因子の遺伝子欠損マウスの作製を行っている【新規破骨細胞分化制御機構の解明】前述のsiRNAスクリーニングの結果重要性が示唆されたcalmodulin-dependent kinase(CaMK)IV遺伝子のノックアウトマウスの骨組織の解析を行った。その結果、CaMK IVが破骨細胞分化に必要であり、その欠損により破骨細胞数が減少し骨量が増加することを見いだした。さらに、CaMK IV/CREB経路が、c-Fosの発現を増強することにより、破骨細胞分化の必須転写因子NFATc1の発現を誘導すること、ならびに、NFATc1の標的遺伝子の発現を直接促進することで、二層性に破骨細胞の制御に関わることを明らかとした。【T細胞による破骨細胞制御機構の解明】関節リウマチ等の炎症性骨破壊疾患においては、骨破壊部位に集積したT細胞と骨破壊の強い関連が示唆されていたが、いかなるT細胞サブセットが骨破壊に関与するか不明であった。そこで種々のエフエクターT細胞について解析を行い、IL-17を強発現するTh17細胞が破骨細胞を効率よく誘導することを示すとともに、IL-17遺伝子欠損マウスを用いてin vivoでもTh17細胞が骨破壊に重要であることを解明した。
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