研究課題
光合成酸素発生系に関し、反応機構、獲得、継承の3つの課題について、全員による討論や協働と班員の独自の解析を行い、下記の成果を得た。今年度は3年目であり、大きな進展が見られた。反応機構に関して、三室は、Synechocystis sp.PCC6803の変異株を複数作成し、光化学系II(PS II)複合体の単離方法を確立し、野口のFTIR解析に供した。またPS IIの遅延蛍光の起源とスペクトルを明らかにし、PS II反応中心の特性を論じた。野口は水分解系に対する2価カチオンの影響について精査した。獲得過程について、田中は、色素の置換が光化学系に及ぼす影響を見ることで、酸素発生型光合成系の最適化を再現する実験の第一歩として、Synechocystis sp.PCC6803のDivinyl reductase遺伝子を破壊し、Prochlorococcus型のジビニルクロロフィルを持つシアノバクアテリアを作成した。しかし細胞は低照度下でのみ生育可能で、タンパク質の最適化が伴うことが必須の要件であることを示した。村上は、世界的に培養が困難とされるProchlorococcusの人工培養に着手した。継承過程について関根は、葉緑体遺伝子翻訳系の成立について、以下の結果を得た。すなわち、シアノバクテリアの葉緑体特異的リボソームタンパク質PSRP1遺伝子の破壊株や過剰発現株の生育解析を行った結果、高温や細胞密度が高い条件のような環境ストレスに応答した翻訳制御に関与していることが予想された。葉緑体翻訳系においても、これと類似した環境要因による翻訳制御を継承している可能性がある。
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