研究概要 |
1.量子もつれ光子生成・検出用デバイス,量子もつれ回復プロトコルの開発(枝松他) 2周期擬似位相整合を用いた非縮退量子もつれ光子対生成素子が,偏光のみならず周波数における量子もつれ発生素子として動作することを新たに確認した.モードロックYbレーザ励起のパラメトリック下方変換によって多光子もつれ状態を高効率で発生し得る光源を開発し,4光子GHZ状態の生成を量子状態トモグラフィによって実証するとともに,束縛もつれ状態の生成ともつれ回復の実証実験系を構築した. 2.半導体微小共振器からの量子もつれ光子発生の理論(石原他) CuCl薄膜からの量子もつれ光子対生成に関し,その効率や量子もつれの純度を定量的に評価する手法を確立した.励起子超放射により非常に高品質な量子もつれ光子対が得られること,微小共振器構造を用いてその品質を保ったまま生成効率を高めることが可能であること,等の重要な知見を明らかにした. 3.半導体微小共振器試料の作製・評価(中山他) CuCl微小共振器試料について,ラビ分裂の精密制御を実証した.光学評価および理論解析の結果から,膜の均一性や境界層の制御がラビ分裂や共振器Q値の精密制御に重要であることを見出した.さらに,広い応用が期待できる高品位ZnO微小共振器試料の作製に成功した.現時点ではこれらの試料を用いた量子もつれ光子発生の確認には至っていないが,高効率量子もつれ光子対生成のための微小共振器試料の作製技術を確立した.
|