研究実績の概要 |
必修化される小学校でのプログラミング学習では、「論理的・創造的に思考し課題を発見・解決し、コンピュータを介してどのように現実世界に働きかけるのか」が重要だとされ、そこで育まれる「プログラミング的思考」には、「各教科等で育まれる論理的・創造的な思考力が大きく関係し」、「『プログラミング的思考』の育成により各教科等における思考の論理性も明確となっていくという関係」が想定されている。したがって、プログラミング学習には教科との関連が謳われていることから中学校以降の学習活動にもつながっていくと考えてよい。しかし中学校では、「各教科で育まれる論理的・創造的な思考力」と関連付けた学習活動はなされていない。そのため、「論理的・創造的な思考力」を育むことを学習目標の主軸の1つとしてきた国語科に、どのようにプログラミング学習を位置付けられるのか試み、中学校の教科の学習でのプログラミング学習の教育的意義を明らかにすることが本実践研究の社会的な意義である。 研究成果1, 論理的思考力育成での中学校国語科の学習目標と接続したプログラミング学習単元を開発できた 中学校段階で育成・向上すべき思考力を「実社会・実生活における言語による諸活動に必要な能力、多様な資料等を収集して解釈する能力と根拠に基づいて論述したり議論したりする能力」と定義し、それらの能力がプログラミング学習で育成・向上する単元を開発できた。 研究成果2, 新たな表現力(創造力)育成での中学国語科の学習目標と接続したプログラミング学習単元を開発できた 生徒たちに従来の表現方法(模造紙やパワーポイント、劇など)で「表現したかったができなかったこと」を考えさせて、それらがプログラミングでのプログラムによってどのように可能になるか試行錯誤させることにより、どのように「新たな表現と表現力(創造力)」が可能になったか生徒自身がメタ認知する単元を開発できた。
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