研究実績の概要 |
1 研究目的 : 本研究の目的は, ドラマ教育の理念・手法を用いることで, 小学校低学年児童に感覚器官を働かせることや想像することで感性を豊かにしたり, 音作りをする中で何をどのように使えばどんな音が出るかという因果関係への着目を促したりする授業を開発し, その効果を検証することである。 2 研究方法 : 本研究では, 前述した目的を達成するために, 第2学年の児童を対象に音探し・音づくりの授業実践・考察を行う。本研究において応用する主なドラマ教育の手法は以下のとおりである。 ○聴覚だけでなく, 意図的に触覚や嗅覚を働かせる活動を複数の単元や活動の中で継続的に行い, 身近な事象の小さな変化を見出すことに喜びを感じることができるようにする。 ○感じ取ったことから想像したことを, 言語・絵・身体等で再構成し, 発見したことや疑問の交流や自覚を図り, 対象とのかかわりを深められるようにする。 ○写真や絵からイメージしたことを音で表現する。その音作りの中でも聴覚や想像力を働かせるとともに何をどのようにするとどんな音が出たかという点で因果関係に着目できるようにする。 3 研究成果 : 成果として次のようなことが明らかになった。 ○身近に様々な音があり, 場所によって聞こえる音の大きさ, 種類が変わること, 特徴がある物は音だけでも区別ができること等を見出すことができた。 ○音から状況を想像したり絵・画像から想像した状況を音で表したりする活動を通して, 人によって想像する内容が異なることがユニークだと捉えるとともに, 想像すること自体を楽しむことができた。 ○音作りを行う中で, 素材にどんな働きかけを行うとどんな音が出るかということを意識して活動することを通して, 因果関係に着目することができた。
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