本研究目的は、教職専門性向上と教員支援体制を模索し、効果的な教員支援システム構築を推進することにある。つまり、国立大学と附属学校との連携・協働による研修システムを検討するものである。 近年の国立大学附属学校では、法人化後の人件費削減、労働時間増加、中間世代教員の減少等から、教員採用人事において困難な状況が継続し、初任者教員採用を余儀なくされる実情を耳にする。 本研究が目指す初任者研修システムは、従来型の職場内徒弟制研修やトップダウン型伝達研修ではなく、国内外の人的・知的資源を活用した機能的・融合的なシステムを目指すものである。 平成29年度は、平成25年度からの継続研究を踏まえて、下記に示す全国的な基礎調査を実施した。 1. 研究目的 : 国立大学附属学校における教員採用人事、教員組織・環境、教員研修体制、等を調査し、初任者教員採用と初任者研修の実際、現職教員環境の実情等を検討。 2. 研究方法 : 全国国立大学附属学校へのアンケート調査と事例調査を実施。 (1) アンケート調査…平成28年度実施の附属幼稚園調査を基に、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など209校(今年度は幼稚園51園舎を除く)を対象に、自記式記述回答調査を実施。 (2) 事例調査…実地調査として全国より数校を抽出。教育改革事例・教育活動の特色等を現地調査。 3. 研究成果 : アンケート調査より計量的傾向を、事例調査より質的特徴を検討。 (1) 基礎調査…平成29年度附属学校209校対象の調査回答率は、平成30年度末約43%。 アンケート集計結果による計量分析、及び、知見等を総括して研究発表予定。 (2) 事例調査…調査対象抽出校は、岩手大学附属小学校・同中学校、茨城大学附属幼稚園、奈良教育大学附属中学校、神戸大学附属幼稚園・同中等教育学校、大分大学附属幼稚園・同小学校、以上8校。 (3) 研究発表…平成29年6月 : 日本教育経営学会茨城大会にて、これまでの調査結果等の知見を研究発表。
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