メタ認知は、意思決定と確信度のマッチングによって評価される。本年度は、霊長類の意思決定における判断バイアスと精度に注目して、その変動にともなって、確信度がどのように変化するかを検証した。判断と確信度は、 PDW課題における実験データを使用した。PDWの過程の計算論的枠組みとして、 意思決定(decision)と賭け行動(wagering)を二通りの方法で定式化した。具体的には、判断バイアスに即した事前確率を組み込んだ状態で、confidenceを計算する現実モデルと、判断バイアスには依存せずに、 常に中立な事前確率で、confidenceを計算する反実仮想モデルを用意し、それぞれにおいて、判断バイアスと精度を操作し、wageringをシミュレートしてみた。すると反実仮想モデルのみ実験結果がうまく再現されることがわかった。
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