Time of flight (TOF)計測は,カメラからの投影光を物体に当て,その反射光の伝搬距離を光の遅れから計測することで,高精度で安定した物体の形状計測を実現している.しかしながら,現実の様々な物体は表面上で透過や散乱などのより複雑な反射を起こす.そのため,直接反射をのみを仮定したTOF計測は大きな誤差を生むため,特定の対象や応用にしか用いられてこなかった.本研究では,フォトニクスとセンサ研究者を巻き込むことで,投影光源や撮像センサ,情報処理による符号化・復調化手法の融合により乱反射を起こす様々な対象の形状計測を可能とする手法を提案する.光コム干渉カメラで得られる干渉画像から直接反射,散乱成分を抽出する.単に乱反射成分を除去するのではなく,それらを利用して内部の構造も同時に推定する.このように単一の計測に含まれる複数の奥行きキューから複数の復元手法により物体の内部と外部の形状を同時推定し,統合モデルを生成する.
同様の計測手法を生体臓器の計測への適用を目指す,基盤研究Sが採択されたため,本研究は基盤Sに引き継つぎ,基盤Aは廃止する.
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