研究課題/領域番号 |
17H00771
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 |
研究代表者 |
山下 直美 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 主任研究員 (70396141)
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研究分担者 |
工藤 喬 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (10273632)
葛岡 英明 筑波大学, システム情報系, 教授 (10241796)
荒牧 英治 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (70401073)
平田 圭二 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30396121)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 精神疾患 / 家庭内介護 / 介護者支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、精神疾患患者と家族介護者のコミュニケーションを改善することにより、患者を早期回復させるICT ツールを開発することである。我々はこれまでに、家族介護者用の介護記録アプリを開発し、うつ病に関して家庭内コミュニケーションを改善できることを示した。本研究では、この介護記録アプリを拡張し、介護者間で記録内容を共有することが家庭内介護・コミュニケーションに及ぼす影響を調査した。 従来の研究は、家族介護者同士で情報共有することが有益であることを示唆しているが、介護記録は患者に関する個人的な情報も含むため、患者が介護者に反感を抱いたり、信頼関係を損なってしまう可能性がある。こうした課題に取り組むために、以前に開発した介護記録アプリに共有機能を組み込み、うつ病の患者を介護する家族介護者15名に対して、6週間のホームユース調査を実施した。その結果、共有機能は家族介護者のみならず、患者にも好影響を及ぼすことや、普段なら家庭内で話しづらい病気に関する話題について介護者と患者が話し合い易くさせる効果があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初に予定していた、「①介護者間で記録内容を共有することが家庭内介護・コミュニケーションに及ぼす影響の解析」を実施し、高い評価を得ることができた。当該分野のトップカンファレンスに論文がフルペーパーで採録された。また、精神疾患患者の社会復帰を支援するNPO法人(COMHBO)が母体となり、開発したアプリを公開することができた。
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今後の研究の推進方策 |
NPO法人(COMHBO)の会員限定で公開したアプリの利用について分析を行い、参加人数が増えた際に必要なグルーピングの機能や、うつ病以外の精神疾患への適用性に関する調査を実施する。
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