研究課題/領域番号 |
17H00785
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神谷 研二 広島大学, 医療政策室, 特任教授 (60116564)
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研究分担者 |
長町 安希子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (20585153)
河合 秀彦 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (30379846)
笹谷 めぐみ (豊島めぐみ) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (80423052)
本庶 仁子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (80614106)
林田 耕臣 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10882061)
神代 紗央理 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (60882058)
ZAHARIEVA ELENA 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 特任助教 (30766697)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 低線量・低線量率 / 細胞老化 / 放射線発がん / 遺伝子改変マウス |
研究成果の概要 |
放射線被ばくによる細胞老化と、老化細胞の幹細胞への影響を統合的に解析し、新たな視点から放射線発がんの分子機構解明を行った。ヒトとマウスの正常繊維芽細胞において、持続放射線照射により細胞老化を誘導し、細胞老化に伴うSASP因子を同定した。また、発がん標的細胞としてiPS細胞を用い、微小環境因子として正常繊維芽細胞との共培養実験系を確立し、微小環境が標的細胞の変異誘発に影響することを明らかにした。更に、放射線被ばくによるゲノム変異を高感度に検出可能なマウスを用いて、持続放射線照射による発がん促進は、幹細胞への変異誘発ではなく、微小環境を介した腫瘍の悪性化促進によるものである事を示唆する結果を得た。
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自由記述の分野 |
放射線生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線被ばくによる発がんの原因は、ゲノム損傷と想定されているが、ゲノム上に被ばくの爪痕が同定出来ない等の不明な点も残されている。本研究は、持続放射線照射により誘導される細胞老化や老化因子による微小環境の変化が放射線発がんに影響を与えることを明らかにしたもので、新しい放射線発がん機構として学術的に高い意義を有する。福島原発事故や公衆の医療被ばく等での持続的な低線量被ばくでの健康リスク評価が課題となっている。本研究は、持続的な被ばくでの健康影響を評価する上での基礎資料を提供できる可能性があり、放射線防護における社会的意義を有する。
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