研究課題
微量変異原のリスク評価には超高感度で自然変異を検出できることが必要条件となる。マウスをモデルとしてすでに自然変異率が再現よく推定できただけでなく、標準系統の1匹の仔マウスにはその親にはない新たな変異が実験的にゲノムの43%を占めるユニーク配列領域から14.2個検出できることも示した。この結果、1990年までに大規模な解析によって放射線影響など明らかにしてきたメガマウス計画で用いられた特定座位試験に比べ9百万倍の効率で変異検出できることを明らかにした(Gondo, Rad. Protec. Dos. 2022)。そこで当初計画を上回って昨年度下半期から微量ガンマ線被ばくがもたらす次世代リスクの評価解析を開始した。1つのG0世代ペアから開始し、同じ遺伝的背景のもと、被ばく/コントロール群2家系となるG1ペアを産出確立後、被ばく交配を開始し、今年度すでにG7世代が得られた。そこでG0ペアを含め全ゲノム解読データも得た。すなわち、1年と1人の実験者と10ケージずつの飼育スペースだけで、G4世代まで得られることを実際に証明した。さらに、G3交配時に重いこと交配を用いることですでに確立した完全遠縁交配法と同様に、被ばくによって新たに誘発した変異がホモ接合となることなくG4世代にユニークなヘテロ接合変異として検出できる「拡張トリオ解析法」も今年度確立した(投稿準備中)。すでに国際標準化を目指す国際コンソーシアムメンバーとして全ゲノム解読法原著論文(Pan et al. Genome Biol., 2022)も今年度発表した。マウスをモデルとしたデータは、ヒトデータと異なり自由に公開可能なため、解析結果だけでなく、方法からオリジナルデータまですべて公開し、精度向上やインフォマティクスパイプライン構築なども含め国内外に活用できる基盤を本研究にて確立した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
出前授業「What is mutation? -- Genome editing: pros and cons. AI is also coming!」英語授業(東京都立日比谷高等学校)日本分子生物学会高校などへの講師派遣2021年度 2021年12月7日 https://www.mbsj.jp/activity/destinations.html
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Genome Biology
巻: 23 ページ: 2:1-2:26
10.1186/s13059-021-02569-8
Genome Research
巻: in press ページ: 1-11
Radiation Protection Dosimetry
巻: in press ページ: 1-21
http://mls.med.u-tokai.ac.jp/gondo/
http://mls.med.u-tokai.ac.jp/gondo/index-e.html