研究課題/領域番号 |
17H00794
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松八重 一代 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50374997)
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研究分担者 |
金本 圭一朗 信州大学, 学術研究院社会科学系, 講師 (20736350)
福島 康裕 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40345096)
長坂 徹也 東北大学, 工学研究科, 教授 (30180467)
大野 肇 東北大学, 工学研究科, 助教 (20769749)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 農業用栄養塩 / リン / 窒素 / カリウム / 産業連関分析 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、NPKに着目して、そのリサイクルを含む国内外のサプライチェーン全体を対象として、未利用資源の有効活用技術を導入した際に、上流では一次資源の需要量にどのような変化があり、下流では環境負荷排出がどの程度軽減されるのかを、地理情報とともにその変化を詳細に解析することを目指す。そのために図で示すように4つのグループにより以下[A]~[E]のステップで解析をすすめた。 [A]貿易統計・経済統計に基づく、1990~2015年のリン・窒素・カリウムのマテリアルフロー解析(国内・国際貿易)[B] 日本のNPKフロー解析用産業連関マテリアルフローモデル(NPK-IO-MFA)の整備 [C][A]で整備するリン・窒素・カリウムの国際フローと、環境拡張型多地域間産業連関モデル(EE-MRIO)の接続 [D] 各国の①廃棄物発生量、②再資源化率、③排水処理技術・リサイクル技術の普及についてサーベイを行い、[C]のEE-MRIOに組み込み、NPK循環解析用EE-MRIOを構築する。[E] [A,B,C,D]で整理した2つのモデルを用いて、我が国ならびに諸外国での未利用NPK資源の活用技術・省資源化技術導入のNPK資源の国際フローに与える影響の解析。 今年度は主に[A][B][C]について、研究を進めるとともに、その成果は日本LCA学会誌「食料を支える資源と環境」特集号の編集ならびに投稿、書籍「リンの事典」朝倉書店、"Phosphorus Recovery and Recycling" Springer社近日発刊の原稿として出版した。また本研究課題で得られた知見に基づき第3回持続的リン利用シンポジウムならびに日本lCA学会での発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題は3年間で、1. リン・窒素・カリウムのマテリアルフロー解析を行い、2. それらを含む未利用資源の活用技術導入のインベントリ分析をすすめ、3. 1.2. に基づく産業連関ライフサイクル分析を行うことを予定している。出力結果に基づき、再資源化技術の導入が国内外のサプライチェーンを介してどのように影響を与えるのかを考察し、将来に向けた適切な再資源化システム構築・NPK 資源保全に向けた戦略的な提言につなげる。本年度は1. について国内フロー解析を終了し、2. 3. についても順調に研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は1.のマテリアルフロー解析の精緻化を行うとともに、2.リン・窒素・カリウムを含む未利用資源の活用技術導入のインベントリ分析をすすめ、3. 1.2. に基づく産業連関ライフサイクル分析を行うことを予定している。出力結果に基づき、再資源化技術の導入が国内外のサプライチェーンを介してどのように影響を与えるのかを考察し、将来に向けた適切な再資源化システム構築・NPK 資源保全に向けた戦略的な提言につなげる予定である。 また、将来の人口動態や食料消費構造変化が、リンや窒素のフローにどのような影響を与えるのかについても、考察を行う予定である。
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