研究課題/領域番号 |
17H00852
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
小司 禎教 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (70354446)
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研究分担者 |
酒井 哲 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (00377988)
川村 誠治 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 主任研究員 (10435795)
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20167951)
津田 敏隆 京都大学, 生存圏研究所, 名誉教授 (30115886)
永井 智広 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (30343891)
瀬古 弘 気象庁気象研究所, 予報研究部, 室長 (60354445)
足立 アホロ 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (80354520)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 局地豪雨 / 水蒸気 / 高頻度観測 / データ同化 / 都市効果 |
研究実績の概要 |
研究計画に則り、観測を継続し、実験システムの構築と解析を行った。 【課題1】首都圏水蒸気稠密観測:可動式水蒸気ライダー1台で2箇所(相模湾、川崎)で観測を実施、中央防波堤埋立地内で電源工事等翌年の観測準備を行った。葛西臨海公園にウィンドプロファイラーを設置し、5月末より観測を実施した。国土地理院のGEONETを補完し、15km間隔で首都圏を覆うよう、5台のGNSS受信機を設置し、連続観測を継続した。気象レーダーによる下層水蒸気の解析手法開発のため、気象庁東京レーダーを用いた試験解析及び、位相の安定した気象研究所の固体素子二重偏波レーダーで位相データの観測・収集を行った。地デジ信号による下層水蒸気解析について、これまで開発してきた手法の高度化を行い、試験観測及び観測点の整備を行った。マイクロ波放射計、ドップラーライダーによる水蒸気、風の連続観測を実施した。夏季、不安定降水の予想される日に高層気象台(茨城県つくば市)に依頼し、15時に高層ゾンデ観測を実施。 【課題2】同化・数値シミュレーション:3年目から本格実施するデータ同化実験のためのシステムを、気象研のスーパーコンピューター内に構築し、高頻度データ同化の効果について考察した。水蒸気ライダーによる水蒸気鉛直構造データの同化実験に着手した。さらに、豪雨発生時の大気状態解析のため、高頻度観測データの同化実験を、過去にさかのぼって実施した。 【課題3】シビアストーム機構解明:2008年以後の首都圏豪雨時の事例について、観測データの高頻度同化実験を実施し、外部強制力の弱い2008年8月5日のいわゆる雑司ヶ谷豪雨事例の場合でも、高度500mの下層で水蒸気量が多く、水蒸気フラックスは他の豪雨事例と共通していることなどの特徴を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に電波免許申請の関連で整備ができなかったウィンドプロファイラーについて、2018年5月末に葛西臨海公園で観測を開始し、計画していた全ての測器で観測を行っている。 発生頻度の少ない首都圏豪雨事例について、過去に遡って解析を行う環境を構築した。統計的に豪雨の発生環境、機構の解明を進めることが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究調書に則り、2019年度も首都圏で水蒸気や風の稠密観測を実施する。得られた観測データを高頻度に同化し、高精度・高分解能の大気データを作成する。得られた大気データ、および気象レーダーや気象衛星ひまわりによる降水や雲の情報を解析し、首都圏に豪雨が発生する機構を明らかにする。
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備考 |
2019/12/20 映像メディア学会・優秀研究発表賞「地上デジタル放送波を用いた水蒸気量推定」 報道:新聞5件,テレビ1件.
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