研究課題
パーキンソン病は代表的な神経難病であり、特徴的な運動・非運動症状を呈し、疾患の進行と共に治療効果が減弱し、加えて種々の合併症が併発する。これまで我々はパーキンソン病含む神経難病に、新たな視点から独自の神経リハビリテーションを考案し、成果をあげている。その中で我々は、同患者に対し反復脊髄磁気刺激(rTSMS)を行い、「腰曲り」を含む姿勢異常が著明に改善することを見出した。さらにrTSMSを併用した神経リハビリテーションを4週間行った場合には、効果の持続が6か月間にわたり明らかに非併用群よりも良好であった。その機序としてrTSMSが神経可塑性を増強することで神経リハビリテーションンの効果を増強することが推定された。本研究ではrTSMS併用神経リハビリテーションが、パーキンソン病をはじめとした神経難病に対する治療法となりうるか否かを、症状・画像検査を含めて、EBMの観点から多角的に検討する。我々は、著明な腰曲がりをきたしたパーキンソン病患者に対し反復脊髄磁気刺激(rTSMS)を実施したところ、姿勢の改善のみならず、運動症状に対しても明らかな有効性が認められた。この予備的検討結果を受け、本研究ではrTSMS併用神経リハビリテーションがパーキンソン病に対する治療法となりうるか否かについて検討する。具体的には、4週間のリハビリテーション入院の間、rTSMSを週2回、計8回実施し、それとともにリハビリテーションを週5日併用する。パーキンソニズムの運動症状・精神症状あるいは画像検査上の指標が改善するか否かを、sham刺激群と比較することで明らかにする。また、リハビリテーション介入を行わずrTSMSの単独の効果を検証するための対象も設定する。さらに、パーキンソン病に対する有効性が確立された場合には、現在有効な治療法のない他のパーキンソン病関連疾患についても同様に効果を検討する。
3: やや遅れている
患者の組み入れに時間を要したため
患者組み入れも終了し、次の段階に進んでいる。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
J Tokus Natl Hosp.
巻: 10 ページ: 13-15