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2017 年度 実績報告書

イオンチャネルを制御する巨大複雑天然物の網羅的全合成および新機能分子の創出

研究課題

研究課題/領域番号 17H00886
研究機関東京大学

研究代表者

井上 将行  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (70322998)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2018-03-31
キーワード合成化学 / 全合成 / 生物活性分子の設計 / 生理活性
研究実績の概要

生命現象の根幹をなすイオンチャネルは、感覚・感情・思考などに深くかかわり、その機能不全は多くの疾患を引き起こす。そのため、チャネルに作用する医薬品の合理的な開発は、現代科学における緊急課題である。分子量が500を超え酸素官能基が密集した巨大複雑天然物は、一般的な医薬品や天然物では実現不可能な、チャネルの高選択的阻害・活性化を可能にする。そこで、申請者は複雑天然物の全合成およびチャネルの機能解析・制御法開発のための新機能分子創出を目的とした。
すでに申請者は、モデル基質において三成分連結反応(method A, method B)およびラジカル二量化反応(method C)の開発に成功しており、これらが分子の複雑性を一挙に増すことが出来ることを報告した。本研究提案では、method A-Cを創造的に組み合わせることによって、全合成が極めて困難なイオンチャネルに作用する巨大複雑天然物群の超効率的構築を実現する。本年度は、特にレジニフェラトキシン、スクアモシンAおよびバトラコトキシンの全合成ルートの確立を目標とした。以下に成果を報告する。
レジニフェラトキシンは、TRPV1チャネルを介した強力な鎮痛作用を有する。5/7/6員環上に酸素官能基が密集していることが構造的特徴であり、全合成が極めて困難な巨大複雑天然物の代表例といえる。method Aを利用して合成した中間体から、すでに全合成を達成した。
スクアモシンAは、Ca2+依存性K+チャネル活性化作用と強力な細胞毒性を有し、抗がん剤として期待されている。そのビステトラヒドロフラン構造を、method Cによって一挙に構築した。
バトラコトキシン(電位依存性Na+チャネル活性化)の全合成では、まず、ラジカル-極性交差反応(method B)によって二成分の連結し、多数の酸素官能基を有するステロイド骨格を効率的に構築した。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Unified Total Synthesis of Polyoxin J, L, and Fluorinated Analogues on the Basis of Decarbonylative Radical Coupling Reactions2017

    • 著者名/発表者名
      H. Fujino, M. Nagatomo, A. Paudel, S. Panthee, H. Hamamoto, K. Sekimizu, and M. Inoue
    • 雑誌名

      Angew. Chem., Int. Ed.

      巻: 56 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1002/ange.201706671

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ラジカル反応を基盤とした高酸化度天然物の収束的合成戦略2017

    • 著者名/発表者名
      井上 将行, 長友 優典, 占部 大介
    • 雑誌名

      ファルマシア

      巻: 53 ページ: 860-864

  • [学会発表] Radical-Based Approach for Synthesis of Complex Natural Products2017

    • 著者名/発表者名
      M. Inoue
    • 学会等名
      Spanish-Japanese Symposium on Modern Synthetic Methodology
    • 発表場所
      Gijon, Spain
    • 年月日
      2017-04-24
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 東京大学大学院薬学系研究科有機反応化学教室ホームページ

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~inoue/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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