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2018 年度 実績報告書

新・日韓交渉の考古学―弥生時代―

研究課題

研究課題/領域番号 17H00941
研究機関福岡大学

研究代表者

武末 純一  福岡大学, 人文学部, 教授 (80248533)

研究分担者 高久 健二  専修大学, 文学部, 教授 (00281197)
村上 恭通  愛媛大学, 東アジア古代鉄文化研究センター, 教授 (40239504)
田尻 義了  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
庄田 慎矢  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50566940)
平郡 達哉  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (60709145)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード日韓交渉 / 考古学 / 弥生時代 / 青銅器時代 / 無文土器 / 原三国時代
研究実績の概要

2018年度は全体計画に沿って、諸活動を最高度に展開できた。10月6日・7日には韓国慶尚北道慶山市の嶺南大学校博物館で「土器・金属器の日韓交渉」と題して「新・日韓交渉の考古学―弥生時代-」研究会の第2回共同研究会を開催し、資料集も刊行した。日韓の研究者の充実した発表が続き、松菊里式土器と粘土帯土器との関係について議論が沸騰した。また、三韓土器や楽浪土器の様相や、鉄器の生産と再利用についても議論できた。この期間に日韓の研究者が対面して会議し、最終報告書への道筋を議論し合意するとともに、中国銭貨研究者や湖南地域の遺跡解説者の追加を決定した。この期間の前後には資料調査を実施した。本年度も各分担研究者は韓国側研究者を2~3名それぞれ5日間ほど招聘し、武末は3名をそれぞれ2週間ほど招聘して、各地域で資料調査や研究発表をしてもらい、意見交換した。
科研費研究員は4月1日付で輪内遼氏が着任して、事務処理とともに資料整理作業に当たった。
資料調査は、国内では東京大学の楽浪土城出土資料や対馬市峰町出土資料、壱岐市原の辻遺跡・カラカミ遺跡出土資料を継続し、様々な新知見を得た。韓国では4月21日から26日に清州鶴坪里遺跡や春川牛頭洞遺跡、平昌下里遺跡などの中部地域の資料を日韓の研究者で行った。3月10日~15日には慶尚南道地域の青銅器時代~原三国時代の資料を調査し、新たな広形銅矛や半球形飾鋲を調査した。また、7月には韓国側研究者が主体となって日本の支石墓や石器を調査し議論した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

資料調査は順調に進んでおり、韓国側研究者との打ち合わせも良好である。研究分担者・研究協力者による研究発表や個別論文の執筆も順調に進んでおり、最終報告書の見通しも明るい。

今後の研究の推進方策

2019年度は全体計画に沿って前半期に資料調査を集中する。4月21日から26日には湖南地域の青銅器時代・初期鉄器時代の重要資料を日韓の研究者が共同で調査する。5月に東京大学の遺物を日本側の研究分担者・研究協力者と調査すると共に、最終報告書の原案を持ち寄って検討する。6月上旬には韓国側研究協力者4名が研究分担者の平郡とともに、九州の支石墓を昨年度に引き続き検討する。7月には嶺南地域の資料調査を実施する。8月24・25日には大阪歴史博物館で、集落、日本出土の無文土器、玉類、鉄器生産関係、中国銭貨など日韓の多岐にわたる課題を検討するために第3回共同研究会を実施し、発表資料集も作成する。この時に合わせて韓国側研究協力者の資料調査も予定している。また、壱岐での日韓研究者による資料調査もする。
武末は福岡大学に韓国側研究者2名を各2週間招聘して日本の資料を検討してもらい、各地の研究者と意見交換する。研究分担者も各人が韓国側研究者1~2名を5日ないし10日招聘する。その際にはそれぞれの地域で成果発表会も実施する。研究支援者は福岡大学大学院博士課程前期修了者を採用し、資料の整理分析や研究事務を補佐する。長期留学経験を持つ研究分担者・研究協力者も多いため、両国の研究者に援助してもらうとともに、大学院生・学部生にも補助してもらう。最終報告書に掲載する写真・図面の選定も進める。10月末締め切りで原稿を提出し、後半期はいくつか補足調査を実施する。
方法は武末純一『土器からみた日韓交渉』で提示した日本列島での朝鮮系資料および朝鮮半島での倭系資料を認定するための原則に準拠する。また、日韓両地域の研究者の認識を高め、破片の考古学を実践して、これまで見過ごされてきた資料を摘出する。論考は、原則として日韓各1名の研究者が同一テーマに取り組み、より幅広い解釈を得る
。

  • 研究成果

    (29件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] 嶺南大学校博物館/国立春川博物館/釜慶大学校博物館(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      嶺南大学校博物館/国立春川博物館/釜慶大学校博物館
    • 他の機関数
      15
  • [雑誌論文] 弥生時代に文字は使われたか2019

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 雑誌名

      18歳からの歴史学入門

      巻: 1 ページ: 99-121

  • [雑誌論文] 福岡県春日市竹ヶ本B遺跡の錨形鉄器2019

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 雑誌名

      白石太一郎先生傘寿記念論文集

      巻: 1 ページ: 印刷中

  • [雑誌論文] 近畿の前期弥生土器甕のタタキ面2019

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 雑誌名

      磨斧作針―橋本博文先生退職記念論集―

      巻: 1 ページ: 33-38

  • [雑誌論文] 出雲市原山遺跡出土の磨製石剣について2019

    • 著者名/発表者名
      平郡達哉
    • 雑誌名

      出雲弥生の森博物館研究紀要

      巻: 第7集 ページ: 印刷中(8頁)

  • [雑誌論文] 韓半島南部地域青銅器時代の埋葬姿勢に関する覚書2019

    • 著者名/発表者名
      平郡達哉
    • 雑誌名

      『花園大学考古学論叢』Ⅲ

      巻: 第3巻 ページ: 印刷中(12頁)

  • [雑誌論文] 東アジアの鉄器文化―朝鮮半島を中心に―2019

    • 著者名/発表者名
      高久健二
    • 雑誌名

      弥生のムラに澈が来た!!~河原口坊中遺跡の鉄斧はどこから来たのか~記録集~

      巻: 1 ページ: 66-78

  • [雑誌論文] 河原口坊中遺跡出土板状鉄斧の類例について2019

    • 著者名/発表者名
      高久健二
    • 雑誌名

      弥生のムラに澈が来た!!~河原口坊中遺跡の鉄斧はどこから来たのか~記録集~

      巻: 1 ページ: 106-110

  • [雑誌論文] 南北市糴~対馬にみる日韓交渉~2018

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 雑誌名

      倭の境界 対馬国

      巻: 1 ページ: 46-51

  • [雑誌論文] 弥生時代併行期の朝鮮半島における祭祀2018

    • 著者名/発表者名
      庄田 慎矢
    • 雑誌名

      生のマツリを探る 祈りのイメージと祭場

      巻: 1 ページ: 82-89

  • [学会発表] 国の展開と渡来人2019

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 学会等名
      朝日カルチャーセンター・博多
    • 招待講演
  • [学会発表] 韓国での錨形鉄器研究の現状―福岡県春日市竹ヶ本B遺跡例の理解のためにー2019

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 学会等名
      第30回東アジア古代史・考古学研究会 交流会
  • [学会発表] 奴国の王都!須玖岡本遺跡2019

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 学会等名
      春日市教育委員会
    • 招待講演
  • [学会発表] 弥生時代の青銅器の生産と流通の変化2019

    • 著者名/発表者名
      田尻義了
    • 学会等名
      九州大学大学院地球社会統合科学府 包括的東アジア・日本研究コース コースA 公開シンポジウム
  • [学会発表] 鉄器化社会の完成過程とその背景―弥生時代後期~古墳時代前期を対象として―2019

    • 著者名/発表者名
      村上恭通
    • 学会等名
      九州大学大学院地球社会統合科学府包括的東アジア・日本史研究コースA公開シンポジウム 弥生時代後期の地域社会と交流―弥生時代~古墳時代へ―
  • [学会発表] 弥生時代の始まりと渡来人2018

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 学会等名
      朝日カルチャーセンター・博多
    • 招待講演
  • [学会発表] 国の形成と渡来人2018

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 学会等名
      朝日カルチャーセンター・博多
    • 招待講演
  • [学会発表] 考古学者による考古学者のための土器残存脂質分析2018

    • 著者名/発表者名
      庄田慎矢
    • 学会等名
      日本考古学協会第84回総会
  • [学会発表] 考古学と科学分析2018

    • 著者名/発表者名
      庄田慎矢
    • 学会等名
      近畿大学研究コア「地域の歴史を科学する」第1回ワークショップ
  • [学会発表] 韓半島磨製石剣文化の展開と特徴2018

    • 著者名/発表者名
      平郡達哉
    • 学会等名
      『島根県古代文化センターテーマ研究 山陰弥生文化の形成過程』第3回客員研究員共同検討会
  • [学会発表] いわゆる青銅製ヤリガンナに関する一考察2018

    • 著者名/発表者名
      田尻義了
    • 学会等名
      平成30年度九州史学会
  • [学会発表] Study on diffusion of bronze casting technique in the Japanese archipelago.Positioning of new artifacts excavated from the Japanese archipelago in East Asia.,2018

    • 著者名/発表者名
      田尻義了
    • 学会等名
      The Society for East Asian Archaeology
    • 国際学会
  • [学会発表] 稲作農耕をめぐる日韓交流2018

    • 著者名/発表者名
      高久健二
    • 学会等名
      朝日カルチャーセンター・新宿
    • 招待講演
  • [学会発表] 青銅器をめぐる日韓交流2018

    • 著者名/発表者名
      高久健二
    • 学会等名
      朝日カルチャーセンター・新宿
    • 招待講演
  • [学会発表] 鉄器をめぐる日韓交流2018

    • 著者名/発表者名
      高久健二
    • 学会等名
      朝日カルチャーセンター・新宿
    • 招待講演
  • [学会発表] 弥生時代の鉄と祭祀2018

    • 著者名/発表者名
      村上恭通
    • 学会等名
      平成30年度瀬戸内海考古学研究会第8回公開大会
  • [図書] 土器・金属器の日韓交渉2018

    • 著者名/発表者名
      武末純一
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      書景文化社
  • [図書] 武器形石器の比較考古学―文化受容過程の模倣と創造―2018

    • 著者名/発表者名
      孫晙鎬・庄田慎矢(共編著)
    • 総ページ数
      211
    • 出版者
      書景文化社
  • [学会・シンポジウム開催] 「新・日韓交渉の考古学―弥生時代-」研究会第2回共同研究会2018

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公開日: 2019-12-27  

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