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2018 年度 実績報告書

人類学的フィールドワークを通じた情動研究の新展開:危機を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 17H00948
研究機関東京外国語大学

研究代表者

西井 凉子  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)

研究分担者 吉田 ゆか子  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (00700931)
深澤 秀夫  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10183922)
箭内 匡  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20319924)
高木 光太郎  青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30272488)
河合 香吏  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50293585)
佐久間 寛  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80726901)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード情動 / 危機 / アート
研究実績の概要

アメリカの著名な人類学者ヴィンセント・クラパンザーノ氏(ニューヨーク市立大学)を招聘し、10月6日に国際シンポジウム“Coping with vertiginous realities”を一般公開で行い、国内外から多くの参加者をみた。本シンポジウムでは現代のアメリカにおける情動と政治をめぐる話題が提供され、日本側の発表者も交えて討論を行った。続いて立命館大学の協力を得て、京都においても“(De)Stabilizing Vertigo-From Moroccan Shamanic Healing to Trump”と題する国際シンポジウムを開催し、学生をはじめ多くの参加者をみた。また、10月14日には ”Encounters in Fieldwork : Under the Influence of Vincent Crapanzano”と題して国際ワークショップを行った。このワークショップではより多くの発表者を加え、国際的な研究交流の機会を設けた。
シンポジウムに関しては、当日の録音資料をもとに冊子体の報告書を作成し刊行し、オンライン上でも公開した。
http://coe.aa.tufs.ac.jp/kikanjinrui/library/
昨年度行った福島県の調査については、映像資料を編集の上、その意義について研究課題のメンバーその他で討論する研究会を5月に実施した。また、10月には国内シンポジウムを行い、外部発表者も加えて情動と東日本大震災との関連性について討議した。
また、昨年度に当研究課題から情動に関する調査に対して調査費を支給した数名について成果報告会を行い、多角的な視点から当課題を検討する機会を設けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2018年度10月に実施した国際シンポジウムおよびワークショップは、当研究課題がテーマとする「情動」について、アメリカにおける最新の研究成果を交えた研究交流の機会となり、当課題の研究水準を向上させることができた。
福島県に関する研究会およびシンポジウムについては、情動を東日本大震災という具体的な脈絡に即して考察する営為を積み重ねる機会となり、調査研究の蓄積と発展的な検討を行うことができた。
また、2017年度の調査成果報告会は若手研究者の支援であるとともに、新しい視点を当研究課題にもたらす機会ともなり、これまでの研究成果に厚みをもたらすことができた。
これらの成果に照らし、当研究課題は着実に成果を積み上げ、また、発展的に課題を遂行することができていると考えたため、上記区分に該当すると判断した。

今後の研究の推進方策

国際的な研究交流については今年度も部分的に行い、「情動と危機」といった内容に焦点化して、特に日本滞在中のインド人人類学者を交えたワークショップを6月に実施する予定である。
福島県に関する調査研究も継続し、7月に研究会を開催することで、これまでの研究成果にさらに厚みを加える機会としたい。
また、これまでに福島に関する調査を国際的にも展開するため、研究代表者の所属する東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のマレーシア、コタキナバル・リエゾン・オフィと共同企画により、ハザード・シンポジウム「東日本大震災と東南アジアの災害比較」と行う予定である。本科研のメンバーと、東南アジアの災害研究を行っている研究者が共に議論することで、研究の進展を図りたい。
今年度からは、これまでの福島に加えて、情動と危機という観点から、沖縄をテーマに加えることを企画している。12月頃に新たに沖縄の家族をテーマにしたワークショップを行い、国内研究者相互の研究交流を図り、当研究課題に新鮮な視点をもたらす機会としたい。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 図書 (5件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [雑誌論文] 祓えぬ負債に憑かれること:ニジェール西部における調査経験から2019

    • 著者名/発表者名
      佐久間寛
    • 雑誌名

      白山人類学

      巻: 22 ページ: 59,77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 黒いソクラテスは語る:創始者アリウン・ジョップと学生組織2018

    • 著者名/発表者名
      佐久間寛
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 94 ページ: 49,59

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 序論:プレザンス・アフリケーヌとは何か2018

    • 著者名/発表者名
      佐久間寛
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 94 ページ: 21,33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] レバノンにおける高齢社会のフィールドワークから見えてきたこと2018

    • 著者名/発表者名
      池田昭光
    • 雑誌名

      FIELDPLUS

      巻: 20 ページ: 20,21

  • [学会発表] Preliminary Study on Role of Civil Society in the Mindanao Peace Process2019

    • 著者名/発表者名
      Ikuya Tokoro
    • 学会等名
      International Conference on Progressive Civil Society
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 自著紹介――書かれなかった後書き2019

    • 著者名/発表者名
      池田昭光
    • 学会等名
      アジア・アフリカ言語文化研究所ワークショップ「『危機』にふれる――レバノンとケニアのフィールドをめぐるふたつの著作から
  • [学会発表] 「手作り」という幻想: 家庭料理のネットワーク論2018

    • 著者名/発表者名
      久保明教
    • 学会等名
      日本記号学会第38回研究大会
  • [学会発表] The Potential of Debts that Cannot Be Paid2018

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Sakuma
    • 学会等名
      8th African Forum in Accra: Futurity in African Realities
    • 国際学会
  • [学会発表] Life as a house- the case of Na Chua:An Assemblage of phi norng (Relatives) in Southern Thailand2018

    • 著者名/発表者名
      Nishii,Ryoko
    • 学会等名
      International workshop: Encounters in Fieldwork : the Influence of Vincent Crapanzano
    • 国際学会
  • [学会発表] Sectarian Tension and Everyday Life: Case of Lebanon2018

    • 著者名/発表者名
      IKEDA, Akimitsu
    • 学会等名
      ILCAA International Symposium “Coping with Vertiginous Realities”
    • 国際学会
  • [学会発表] Sectarianism Within and Without: Everyday Interaction in a Lebanese Town2018

    • 著者名/発表者名
      IKEDA, Akimitsu
    • 学会等名
      World Congress for Middle Eastern Studies
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] ”Others: The Evolution of Human Sociality ”2019

    • 著者名/発表者名
      KAWAI, Kaori
    • 総ページ数
      506
    • 出版者
      Kyoto University Press and Trans Pacific Press
  • [図書] 天然知能:意識の向こう側2019

    • 著者名/発表者名
      郡司ペギオ幸夫
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      講談社メチエ
  • [図書] イメージの人類学2019

    • 著者名/発表者名
      箭内匡
    • 総ページ数
      306
    • 出版者
      せりか書房
  • [図書] 機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ2018

    • 著者名/発表者名
      久保明教
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      講談社
  • [図書] TANKURI 創造性を撃つ2018

    • 著者名/発表者名
      中村恭子、郡司ペギオ幸夫
    • 総ページ数
      198
    • 出版者
      水声社
  • [学会・シンポジウム開催] Coping with vertiginous realities2018

  • [学会・シンポジウム開催] Encounters in Fieldwork : Under the Influence of Vincent Crapanzano2018

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公開日: 2019-12-27  

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