研究課題/領域番号 |
17H00948
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
西井 凉子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)
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研究分担者 |
吉田 ゆか子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (00700931)
深澤 秀夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10183922)
箭内 匡 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20319924)
高木 光太郎 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30272488)
河合 香吏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50293585)
佐久間 寛 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (80726901)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 情動 / アフェクト / 身体 / アート |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、理性に対置されてきた「情動」こそが人と人を結びつける社会性の根幹にあるという理論的な展望と、身体と感性を基盤として現場から問題をたちあげてきた人類学的な臨地調査の方法論とを接続することにより、情動生成のプロセスを実証的に解明することである。近年多発する災害・紛争・テロリズムといった危機的状況の只中でも人々は日常性を維持すべく共同的な生を営んでいる。本研究では、アジア・アフリカにおける多様な現場から、日常的な生活の局面を基盤とし、偶発的・受動的に巻き込まれる危機の局面、逆に能動的に統制された祝祭の局面の3つを多角的に考察することで、情動研究に新たな展開をもたらすことをめざしている。本年度は来年の最終年度での成果論集とりまとめのための基盤づくりのための研究会を行い、研究テーマの「情動・アフェクト」に関する共通理解の進展をはかった。 これまで、通算10回の研究会を行ってきたが、そのうち、昨年度は研究代表者が科学研究費で海外から招聘した精神分析にも造詣の深い文化人類学者のクラパンザーノ氏を囲んで公開で行った国際シンポジウムを1回、アジア・アフリカ言語文化研究所の課題研究会及び本科研プロジェクトと共催で行った国際ワークショップを1回開催した。クラパンザーノ氏は実験的民族誌を主導した世界的に著名な人類学者の一人であり、氏の研究は本科研研究プロジェクトがめざす方向性と深く関連する。成果論集には、クラパンザーノ氏の論考も含めて、人類学における「存在論的人類学」以降の新たな人類学的視野を拓くことを企図し、研究会の積み重ねを行った。2019年5月25日に研究会を行い、7月20日には成果論集執筆者全員による構想発表会を行った。その時のメンバー同士によるコメントをもとに草稿を執筆し、2020年1月31日~2月1日にかけて、成果論集執筆者全員による草稿読み合わせ会を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果論集執筆予定者により、7月に構想発表会及び1月から2月にかけて全員による草稿発表会を行い、メンバー間で講評を行った。これにより、成果論集とりまとめにむけてメンバー全員で議論し、研究の方向性について共有ができ、来年度の成果論集出版にむけて準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
これまで2019年7月に構想発表会及び2020年1月から2月にかけて全員による草稿発表会を行い、コメントをうけて改稿を重ねて成果出版の準備を行った。具体的には、成果論集とりまとめにむけてメンバー全員で議論し、研究の方向性について共有を図った。 ここから、研究会で検討すべき次のようないくつかの問題系が明らかとなってきた。それは次の4点に集約される。1)個と集合性、2)マテリアリティ、3)身体・感覚、4)創造性。成果論集においては、これらの問題系での議論を念頭に、各自論文執筆を行うこととなった。
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