研究課題/領域番号 |
17H00972
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
岩間 陽子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70271004)
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研究分担者 |
小窪 千早 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (00362559)
川嶋 周一 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (00409492)
吉田 真吾 近畿大学, 法学部, 准教授 (10705883)
友次 晋介 広島大学, 平和センター, 准教授 (90622019)
合六 強 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (10802910)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 核不拡散 / 軍縮 / 国際関係史 / 安全保障 |
研究実績の概要 |
1.研究代表者・岩間の所属しているGRIPSにて、「不拡散体制研究プロジェクト」を立ち上げ、定例研究会を開催した。今年度は、全5回の公開研究会を開催し、大変活発な交流ができた。発表者とテーマは以下の通り。第1回 2017年6月3日相田守輝(筑波大学人文社会科学研究科国際公共政策博士後期課程)『「核常兼備」の解明から見える中国の核抑止 ―人民解放軍軍人の「欺瞞」と「牽制」』;第2回 7月8日菊地茂雄(防衛省防衛研究所理論研究部社会・経済研究室長)「ソ連軍事戦略における核兵器の役割―核兵器の導入から新冷戦まで」;第3回 10月14日劉仙姫(帝塚山大学法学部非常勤講師)「韓国におけるNPT加盟と核開発への試み」;第4回 11月11日 合六強(二松學舍大学国際政治経済学部専任講師)「西ドイツのNPT署名問題と米国の対応」;第5回2018年2月10日道下徳成(政策研究大学院大学 教授)「冷戦期の「海洋戦略」における核兵器の役割―太平洋戦域を中心に」 2.関係史料の収集・整理:今年度は日本の外交史料館の核不拡散条約(NPT)批准当時の文書を中心に収集作業を行い、現在デジタル化の作業を進行中である。 3.日本のオーラル・ヒストリーとして、まず日本がNPTを批准した当時外務省国連局軍縮室長であられた、数原孝憲氏に当時の様子のインタビューを行った。この内容は年度をまたいで冊子化作業と、ファイルでのGRIPSレポジトリ登録作業を行った。 4.国際ワークショップの開催:2018年3月10日(土)Leopoldo Nuti氏を招いて"The Nuclear Challenge. Italian Foreign Policy and Atomic Weapons, 1945-1991”について講演頂き、活発な議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会は毎回盛会であり、研究者、ジャーナリスト、政策担当者など広く各界から参加を得ている。本プロジェクトの一つの目的であった、不拡散問題について広く議論をすることのできるコミュニティを作るという目的を達成しつつあると考える。 日本のオーラル・ヒストリーを開始することができたのも、有意義であった。70年代に政策担当した世代は徐々に高齢化しつつあり、今のうちにしっかり証言を取っておきたいと考えている。 国際ネットワークも英米に次いで、ドイツ、イタリアとNATO諸国に広がりつつあり、内容を英語ウェブサイトで発信するなど、周知に努めている。2018年にNPT60周年を記念する英文出版をラウトレッジ社から出版することができ、次は日本の読者向けの邦文出版を企画している。
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今後の研究の推進方策 |
今後とも、国内外にネットワークを拡げつつ、様々な形での成果物を出していきたい。国内的には、定例研究会の開催とオーラル・ヒストリーを進めることが、柱となっている。オーラル・ヒストリーは、数原孝憲氏のオーラル・ヒストリーに公開の目途が立ったため、次は沼田貞明氏とのオーラルの準備を進めているところである。 海外との交流も引き続き活発に続けていきたい。かねてより懸案となっている、NATO諸国以外、特に中立・非同盟諸国とのネットワークづくり、研究交流に努めたい。 また、日英双方での出版物の公開も続けていきたい。
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