研究課題
資産価格とボラティリティのマクロニュースに対する反応、マクロ変数の分散の構造変化、新たな構造マクロモデルの構築と推定に関して、以下のように多くの研究成果が得られた。(1)日中ボラティリティの周期性およびマクロ指標や日銀政策決定会合の結果公表などの影響を考慮した日中ボラティリティ変動モデルとその推定法を提案し、日経225株価指数の5分ごとのデータに応用した。その結果、日経225の日中ボラティリティはGDP、鉱工業生産指数、消費者物価指数といったマクロ経済指標の公表には反応せず、日銀政策決定会合の結果公表のみに反応することが明らかになった。また、このモデルによる日次ボラティリティの予測精度が高いことを示した。(2)多変量の株価収益率の分散や相関係数の変動を説明するモデルを構築した。さらに高頻度データによって得られる実現ボラティリティ、実現相関係数を観測方程式に加えることで、ポートフォリオのパフォーマンスが上がることを米国の株価収益率のデータを用いて示した。(3)5分刻みの高頻度データを用いて、為替レートのマクロ経済指標のニュースへの反応を測定し、リーマンショック後には円ドルレートの日本のニュースに対する反応が弱まっていることを明らかにした。(4)線形回帰モデルの分散の構造変化について新たな分析手法を提案し、米国のGDPデータを用いて1980年代半ばから続く大平穏期はリーマンショックを経ても終わっていないことを示した。(5)経済成長理論と金融市場の摩擦を取り込んだ構造マクロモデルの構築と推定を行い、グレート・リセッションとそれに続く緩慢な経済成長の原因として、金融市場への負のショックが大きな役割を演じたという新たな推定結果を示した。
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