研究課題/領域番号 |
17H00995
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金融・ファイナンス
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆敏 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (30203144)
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研究分担者 |
山田 昌弘 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (60732435)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 為替レート / 高頻度取引 / マイクロストラクチャー / 仲値 / 裁定取引 / 取引実行リスク / 流動性 / 価格発見 |
研究成果の概要 |
外国為替市場では、1990年代から、電子ブローキングシステム(EBSとReuters)が主要通貨の取引の仲介をするようになった。2003年以降は、取引の発注を行う銀行のコンピューターが、取引仲介をするマッチング・コンピュターと直接つながるようになり、アルゴリズム取引が瞬時に行えるようになった。このようなアルゴリズム取引が市場取引に占める比重が大きくなるにつれて、これが市場の効率性にどのように影響を与えるかが、研究課題として注目されるようになった。裁定取引(ネガティブ・スプレッドや三角裁定)の利益機会の発生確率が減少して、発生した場合の持続時間が減少してきたことを統計的に明らかにした。
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自由記述の分野 |
国際金融
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルゴリズム取引が主流になるにつれて、裁定取引の機会が失われてきたという意味で、市場が効率的になることが発見された。これは、アルゴリズム取引が市場のアノマリーを取り除き、効率的にしていることを示している。コンピューターによる取引指示、コンピューターによる売買のマッチングが、高頻度(1秒の100分の1単位)で行われるようになったことで効率的な市場が実現、売買の取引コストは削減されてきた。もちろん、市場の効率性はアノマリーが起きないことだけではなく、流動性が常に十分にあるのか、価格発見が速いのか、という基準もあり得る。このような発展的研究課題は次年度に行う。
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