研究課題/領域番号 |
17H01014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
筒井 健一郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90396466)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生理心理学 / 認知神経科学 / システム神経科学 / 高次脳機能 / 情動 |
研究成果の概要 |
低頻度rTMSによって内側前頭皮質腹側部(vMFC)の神経活動を抑制すると、レジリエンスとエフォートの低下を示唆する一連の行動変化が観察されるとともに、ストレスの生理指標のひとつであるコルチゾールの血中濃度が上昇した。これらの症状は、即効性の抗うつ効果があることで知られるケタミンの静脈注射によって劇的に改善した。また、神経トレーシングによって、vMFCは側坐核や扁桃体と密な線維連絡があることが明らかになった。これらの結果により、vMFCが情動・気分の調整の中枢として働いており、その機能の破綻が、うつ病の発症に繋がることが示唆された。
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自由記述の分野 |
生理心理学・認知行動神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、うつ病患者の脳機能イメージングなどによって、内側前頭皮質の情動・気分調節への関与やその機能不全とうつ病の発症との関係について、注目されている。一方で、動物実験では、内側前頭皮質にかかわる実験室的あるいは要素的な研究はこれまであったが、その機能不全がうつ病の発症に繋がることを示した研究は、ヒトと同様に発達した前頭皮質を有するサルを用いた動物研究では先例が無かった。本研究は、内側前頭皮質の機能不全による「サルうつ病モデル」を世界に先駆けて作出したものであり、うつ病の病態の理解と、治療法の確立、さらには、情動や気分の調節メカニズムの理解を大きく前進させるものである。
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