子どもの貧困と学習の社会的成果に関する理論的実証的研究

2017 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17H01023
• 研究機関: 玉川大学
• 研究代表者: 笹井 宏益 玉川大学, 学術研究所, 教授 (10271701)
• 研究分担者: 卯月 由佳 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 主任研究官 (00718984) ; 勝野 正章 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (10285512) ; 植田 みどり 国立教育政策研究所, その他部局等, 総括研究官 (20380785) ; 長岡 智寿子 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (20738273) ; 鶴田 清司 都留文科大学, 文学部, 教授 (30180061) ; 大竹 智 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (30258686) ; 岩田 美香 法政大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30305924) ; 北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (30362221) ; 高良 麻子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70376846) ; 河野 順子 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (80380989) ; 高橋 史子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任研究員 (80751544) ; 田島 信元 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (90002295) ; 本多 正人 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (90282623) ; 新藤 こずえ 立正大学, 社会福祉学部, 准教授 (90433391) ; 小原 一仁 玉川大学, 教育学部, 教授 (20407729)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 認知的スキル / 非認知的スキル / ソーシャルワーク / PIAACデータ / 社会的養護 / 教科指導 / 特別活動 / 生徒指導

研究実績の概要

この科研は、子どもの貧困を3つの複合的な視点「スキル・学校・地域」から解決を志向するスクールソーシャルワークや児童養護施設などのおもに福祉的観点からの研究を行う「社会的養護ユニット」（ユニットリーダー・岩田美香法政大学現代福祉学部教授）、認知的・非認知的（社会情緒的）スキル、学校、地域の複合的な視点での研究をすすめる「学校教育ユニット」（ユニットリーダー・勝野正章東京大学教授）、OECDのPIAAC（成人力スキル調査）などの国際調査結果を基に研究を行う「教育評価ユニット」（ユニットリーダー・笹井宏益科研代表）、の3つのユニットで構成されている。各ユニットにおいては、平成29年度、次のような活動が行われた。
社会的養護ユニットにおいては、先行研究にかかる資料・文献のレビューとともに、特定の養護施設において、認知的・非認知的スキル育成に関して、質問紙調査やインタビュー調査などを実施した。
学校教育ユニットにおいては、先行研究にかかる資料・文献のレビューとともに、都立の中高一貫校である村山学園をフィールドに、社会的な格差と教科指導・生徒指導との関係についてケーススタディが実施された。また、平成30年3月には、東京大学にて、シンポジウム「子どもの貧困に、教育・福祉はどう立ち向かっているか　～認知的スキルと非認知的スキルのコラボレーションが子どもの未来を創る」を開催され、笹井宏益玉川大学教授による基調講演のあと、本ユニットのメンバーを中心に様々な議論が展開された。
教育評価ユニットにおいては、OECDのPIAACデータを基に様々な観点から分析を行った。また、各国の分析状況にかかる情報収集とともに、専門家との意見交換を行った。さらに、新たな分析枠組みや仮説の設定のための国内調査等を行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各研究分担者が、それぞれの問題意識に基づき調査研究を進めており、順調に推移している。各年度末に行うことになっているシンポジウムは、平成29年度は東京大学で予定どおり開催され、この科研の目標や内容等について、多くの方々のご理解を得たところである。

今後の研究の推進方策

平成29年度の調査研究において、各ユニットにおける研究課題がより具体化したので、それらを社会調査の方法を駆使して調査研究していきたい。また、研究分担者の数が多いので、研究会を多く開催するなどして、情報の共有化を進めていきたい。