研究課題
電子相変化(金属―絶縁体相転移)を発現する機能性酸化物を対象とし、トップダウン・ボトムアップナノプロセス融合によりサブ10nmスケールの三次元ナノ構造を構築し、10nm-数nm程度の極小の相転移単位(ナノ電子相)の物性計測を行う。ナノ電子相形成過程 を人工ナノ構造により直接制御することにより、連続体物質とは異なる電子相変化(相転移)を見出すとともに、ナノ構造サイズ・形状と巨大物性応 答・新物性発 現の相関を明らかにし、酸化物ナノエレクトロニクスにおけるイノベーションを創出することを目的とした。2019年度は室温において超高速に金属―絶縁体相転移を引き起こすVO2と、界面が原子レベルで平坦な層状物質である六方晶窒化ホウ素(hBN)をゲート絶縁体として用いたトップゲート型FETを作成し高い抵抗変調率を実現した。逆にhBN上でのVO2の結晶成長の確立を行い、VO2は最安定面である正方晶(110)面で成長し、電極間距離を1umまで縮小した2端子デバイス構造において最高で3桁程度の急峻な抵抗変化を見出した。また3次元方向全てが10nmサイズを持つ強相関酸化物マグネタイト(Fe3O4)のナノ構造体作製を実現し、極微ナノ試料において初めて相転移特性を観察した。●新たな電子相変化材料と して注目されるSmNiO3Nをチャネル層としたイオン液体電界効果トランジスタを作製し、加えてNidNiO3ナノ細線構造において、50nm 程度と推測されるナノ電子相の電気抵抗評価による検出に成功した。さらにイオン液体ナノワイヤ電界効果トランジスタの作成に成功した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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