研究課題
基盤研究(A)
本研究では,キーデバイスであるAdvanced Kirkpatrick-Baez結像ミラーを世界に先駆けて開発することで,高性能な結像型X線顕微鏡の実現を目指した.様々な観点から結像ミラーを設計・シミュレーションし,最適化したものを試作した.多層膜コーティングをすることで8keVのX線に対応した反射型レンズを開発した.SPring-8にてX線顕微鏡を構築しその性能を評価したところ,20nm構造を解像することができた.結像ミラーを用いたX線顕微鏡において世界最小分解能を達成することができた.
X線光学
高分解能なX線顕微鏡を開発できた点と,さらなる高分解能化のための足掛かりを得ることができた点が,本研究の主要な成果である.本研究がさらに進むことで,これまでは見ることができなかった試料や現象を高精細に可視化・分析し,その理解を深めることで新しい科学を拓くことが可能となる.例えば,昨今注目されている電池や触媒の挙動を詳細に可視化・分析することで,その性能を飛躍的に高めるなどが期待される.