研究課題
本研究では,理研気体充填型反跳核分離装置に,高周波カーペットガスセルとSi半導体検出器から構成される超高速低温ガスクロマトグラフ装置を開発することによって,超重元素(原子番号104以上)の気相系における化学的性質を単一原子レベルで解明するための新しい化学元素分析システムを開発している.今年度は,特に低温ガスクロマトグラフ装置部の開発を進めた.まず,超重核の放射壊変に伴って放出されるアルファ粒子や自発核分裂片を検出するため,Si PIN フォトダイオード(Hamamatsu S15510)を特注で製作した.32対のSi検出器でガスクロマトグラフカラムを構成し,カラム先端部を温水で加熱,末端部を液体窒素で冷却し,カラムに対して30℃から-120℃まで温度勾配をかけた.ガスクロマトグラフ用のキャリア/反応ガスには,ヘリウム,アルゴン,酸素,一酸化炭素等,最大4種の気体を任意の混合比で用いることができる.超重核の希少壊変事象を確度良く検出するため,Si検出器の前置増幅器から出力された信号の生波形をそのまま記録できる16チャンネルデジタルパルスプロセッサ(TechnoAP APV8016A-L64S1-C70)を整備した.本装置の性能試験は,Ac-227線源から娘核種として生成する貴ガス元素Rnの同位体Rn-219をカラムに導入して行った.Rn-219と娘核種Po-215,Bi-211のアルファ粒子に対して,30 keV以下のエネルギー分解能(FWHM)を達成した.Rn原子は,カラム内で固定相(Si検出器表面)と吸脱着相互作用を繰り返しながらキャリアガスとともにカラム内を進む.32台のSi検出器に対するRnの収率分布をモンテカルロシミュレーションすることにより,Rnの固定相に対する吸着エンタルピーを導出することに成功した.本装置を用いて,Nhの化学的性質を調べることが可能である.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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