研究課題/領域番号 |
17H01086
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒川 知幸 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40377974)
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研究分担者 |
山内 博 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (40452213)
疋田 辰之 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (70793230)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 頂点作用素代数 |
研究実績の概要 |
当該年度では昨年度までに得られたな結果について海外招待講演を11回行い、7本の査読付き論文が出版された。このうち6本が国際共同研究である。また「W-代数の表現論」に関して日本数学会秋季賞を受賞し、受賞講演を行った。さらに2018年の国際数学者会議の招待講演者に選出されるという栄誉を得た。 研究面では、(1) Thomas Creutzig, Andrew Linshawとの共同研究により、長年の未解決問題であったW代数のコセット構成法に関する予想を完全に解決することに成功した。系として、W代数のユニタリーな極小系列表現の分類や、風間・鈴木模型を含めた様々なコセットVOAの有理性も得た。また、結果はプレプリントとして提出し(arXiv:1801.03822 [math.QA])、論文は現在投稿中である。これは本研究課題の主要目的の一つであったが、この結果によりW代数の表現論の理解は大幅に進んだと言える。またその後の研究により、この結果は四次元のゲージ理論や幾何学的Langlands対応と密接な関係があるという著しい事実が分かった。(2) Anne Moreauとの共同研究でポアソン葉のアフィン版の概念であるカイラルシンプレクティック核の概念を導入し、応用として擬平滑な頂点代数のの特異台がポアソン代数多様体のアーク空間に同型になることを示した。この結果もプレプリントとして提出し(arXiv:1802.06533 [math.RT])、 論文は現在投稿中である。我々はこの結果を用いて頂点代数の随伴多様体の既約性予想が証明できると期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の主要目的の一つであったW代数のコセット構成法に関する予想を完全に解決することに成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の主要目的の一つであったW代数のコセット構成法に関する予想の解決に成功したため、今後はこの結果の応用にも力をいれる。特に、新しく判明した四次元のゲージ理論や幾何学的Langlands対応との関係の研究も積極的に進める。
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