研究課題
宇宙マイクロ波背景放射(CMB) の偏光観測によって、宇宙インフレーションによって生じた原始重力波の痕跡(B-mode 偏光) の観測が可能である。CMB 偏光観測するのに適した広視野かつコンパクトなミリ波望遠鏡を開発した。広帯域かつ広視野のミリ波望遠鏡にて観測することで、銀河面内の星間ダストからの前景放射を効率的に差し引くことができるようになり、確度の高い宇宙インフレーションの物理情報を引き出すことができる。高い屈折率を持ち、かつ、ミリ波にて低損失のシリコン(Si)はミリ波光学系として有望な素材である。が、反射防止が必要となる。機械的切削及び深掘りエッチングにより、シリコンレンズに広帯域反射防止膜を加工することに成功した。極低温にて金属にてシリコンレンズを保持するために、熱膨張係数の違いを逃す機構を製作した。ミリ波用シリコンレンズは、CMB観測のみならず、ミリ波天文学にも適用が可能である。ミリ波近傍解測定法により、広視野望遠鏡の広角サイドローブパターンを高精度 (-50 dB)にて測定した。同時に交差偏波パターンを測定し、宇宙マイクロ波背景放射の偏光観測にかかる系統誤差の削減が可能であることを示した。さらに広視野における望遠鏡の偏光角特性の高精度測定を実現した。以上の開発研究により、ミリ波広視野極低温偏光望遠鏡の開発を進め、宇宙インフレーションの観測への道筋をつけた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)
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