研究課題/領域番号 |
17H01119
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
望月 優子 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 室長 (90332246)
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研究分担者 |
和田 智之 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (90261164)
矢野 安重 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (10774721)
加瀬 究 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 先任研究員 (70270600)
高橋 和也 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (70221356)
中井 陽一 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (30260194)
湯本 正樹 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (60585157)
丸山 真幸 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (10588304)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 太陽活動 / 超新星爆発 / 気候変動 |
研究実績の概要 |
南極大陸の「ドームふじ基地」で掘削された氷床コアを用いると、過去100万年間観測したのと同等な、天の川銀河系内超新星爆発と太陽活動の情報を得られる可能性がある。現在、過去72万年分の氷床コアが国立極地研究所に保存され、さらに、過去100万年以上を目指した氷床コアの掘削計画が進行中である。この過去100万年スケールの銀河系内超新星の爆発頻度と太陽活動の歴史を解明するため、天文学とは異なる分野と連携し、世界初の「南極氷床コア自動レーザー溶融装置」のプロトタイプ機を3年で開発する。又、既に取得済みのドームふじ氷床コアデータを解析し、銀河系内超新星爆発の痕跡と太陽活動の周期及び強度、その気温との相関を解明することが本研究の目的である。 平成29年度は、本研究課題の初年度として、まず実験場所となる「プレハブ冷凍庫」(低温室、―20℃)についてのスペック、及び測定装置も含む実験室レイアウト等の詳細を検討し、理化学研究所に新規実験室スペースを得てこれらを導入した(うち低温室は本予算措置による新規の導入)。あわせて氷床コアのレーザー融解装置の基本設計を検討した。8月になって世界的なロボット景気のため、当該装置に当初取り付けを予定していた―20℃環境下で安定作動する自動位置決め部品が入手困難であることが判明したため、代替案として、設計変更(パラレル・リンクによる実現)を検討及び確立するため、開発に約6ヶ月の遅延が生じ、平成30年度への繰越申請を行った。新規の基本設計を平成29年11月に終え、年度内に一般競争入札を経て業者への発注を行い、平成30年度の延長期間中に上記装置が納品された。納品された装置を用いて必要な改良を施しつつ、基礎実験を進行させた。これにより、氷床コアを模したダミー氷をレーザー融解して研究試料として自動採水する世界初の基礎実験に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画の中心である「氷床コア及びレーザー投光採水ユニットの自動送り装置」の基本設計検討に関して、平成29年8月、当初取り付けを予定していた―20℃環境下で安定作動する自動位置決め部品が入手困難であることが判明した。代替案として、設計変更(パラレル・リンクによる実現)を検討及び確立するため、開発に約6ヶ月の遅延が生じ、平成30年度への繰越申請を行った。平成29年11月に設計変更を行った新規の基本設計を終え、一般競争入札を経て業者への発注(平成29年度)を行い、平成30年度の延長期間中に上記装置が納品された。納品された装置を用いて必要な改良を施しつつ基礎実験を進行させ、氷床コアを模したダミー氷をレーザー融解して研究試料として自動採水する世界初の基礎実験に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
基礎開発中のプロトタイプ装置を用い、実用化に向けさらに装置の研究開発を推進する。
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