研究課題
物理測定に使用する高バースト耐性MWPCに関して、バースト粒子入射後に発生する遅延雑音信号を抑えるための装置高度化を推し進めた。具体的には、2018年度に実施した動作ガス構成の最適化をさらに発展させて、イオンの荷電交換を促進するガスをR-134aからメチラール蒸気に変更することにより、遅延雑音信号をさらに低減できることを確認した。2017および2019年にJ-PARC MLF D2エリアで実施したミューオニック炭素原子からのDecay-in-Orbit (DIO)スペクトル測定実験のデータ解析を進めた。ミューオン・電子転換過程探索測定では電子スペクトロメータの運動量を正確に校正する必要がある。そこで、Hライン中間部に校正用試料ホルダーを設置し、正ミュー粒子やパイオンが発生する運動量の良くわかっている陽電子を用いて電子スペクトロメータの校正を行う方法の開発を進めた。前年度に引き続き、Hラインに実装してミュー粒子を用いた校正に使用する校正用試料ホルダーの製造を行った。Hラインの完成を見据えて、ビームラインコミッショニングに使用するビームプロファイルモニターの開発を推し進めた。ミュー粒子電子転換過程を探索する物理測定では、Hラインで輸送されてくる105 MeV/cの電子を使用する。そのため、約200 nsの間に1億個を超える電子と600万個のミュー粒子が入射する環境において、電子ビームに対してビームラインの設定を最適化する必要がある。そこで、電子ビーム強度だけに比例した信号を発生する検出器の開発を行なった。ピラミッド形状に加工をした透明アクリルを用いて、電子によるチェレンコフ光だけを選択的に光検出器に導入する装置の設計と開発を行なった。プロトタイプを製作して京都大学複合原子力科学研究所の電子ライナックで試験を行い、良好な結果を得た。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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