研究課題
本年度は、昨年度の成果を更に発展させ、高速自転を伴う低金属大質量星の最終進化における~100秒程度の3次元流体シミュレーションを世界に先駆けて行なった。この星は初期に38太陽質量で太陽の1/50の金属量を持ち、広いSi/O対流層を持つ。シミュレーションの結果、この星では広いSi/O対流層内で大きなスケールの乱流運動が支配的になると同時に、星の自転に起因する低モードの渦状腕構造が現れることがわかった。さらに、対流による混合で層内における(従来の計算で仮定されていた角速度ではなく)比角運動量の動径分布が一定になることがわかった。また、昨年度に引き続き、超新星におけるニュートリノ集団振動についても調べた。特に、今年度は9.6太陽質量の星が進化した超新星から放出されるニュートリノについて極角方向と原子核による散乱効果(ハロー効果)を考慮したニュートリに集団振動を調べた。結果、ハロー効果によりニュートリノ集団振動の開始が遅れることを示すことに成功した。また、8.8太陽質量の超新星から放出されるニュートリノについては、極角方向だけでなく方位角方向の依存性も考慮してニュートリノ集団振動を計算した。その結果、軸対称性を仮定していた従来の計算では起こらないニュートリノ集団振動が現れることを示すことができた。また、新しい研究の方向性として、太陽の約5万倍の質量を持つ初代超大質量星の一般相対論的不安定による超新星の可能性について調べた。この爆発は一般相対論的不安定によるコアの急激な収縮後に起こる急激なヘリウム燃焼により起こる可能性がある。非回転の超大質量星進化の計算ではこのような爆発は示されなかったが、低速の回転を考慮したモデルでは、爆発が得られることを示すことが出来た。また今年度は、超新星残骸のX線観測との共同研究で超新星残骸の元素組成分布から得られる超新星の特徴についても調べることが出来た。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 10件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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