研究課題
過去に蓄積された、北極海、南極海、オホーツク海の3海域のポリニヤ内での係留系データ、特にADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)の散乱強度データの解析から、大気からの冷却が強い場合、最大水深100m以上に及ぶ海中でのフラジルアイス生成が起こることが示され、フラジルアイス生成による効率的な海氷生産過程が沿岸ポリニヤで共通して起こりうる現象であることが示された。さらに、流れが強い場合は、海底堆積物の巻き上がりが起こり、それによって海氷内に鉄等の堆積物が取り込まれ(suspension freezing)、物質循環に重要な役割を果たすことも示唆された。係留系観測も継続して行われ、北極海のチュクチ海沿岸ポリニヤでは2系、南極海のケープダンレーポリニヤ内とその沖の底層水の通り道では、ADCPや時系列採水器が付いた計3系の係留系を回収することに成功した。一方、これら係留系データを検証データに用いて、全球に汎用できる、衛星マイクロ波データAMSRによる海氷タイプ・薄氷厚アルゴリズムを開発した。これにより全球の海氷生産量をより高精度に推定することが可能となる。ポリニヤで生成される中深層水の起源となる高密度水に関しては、オホーツク海で蓄積された計30個のフロート等による温度・塩分・溶存酸素データを中心に解析を行った。オホーツク海及びその下流域である親潮域の中層水に対して、その季節変動や18.6年の潮汐周期変動を抽出し、それを取り除いたポリニヤ変動を起源とする中層水の変動(海氷生成減少により低温の高密度水が減少していること)を明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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