研究課題
本研究は太古代から原生代にかけての環境変動を理解することを目的として、新たな分析法であるフッ化による二重置換同位体分子種の計測法を開発し、それを天然試料に適用する計画である。本年度は13C-13C二重置換同位体計測の標準化を行い、質量分析の際のアーティファクトは無視できるほど小さいことを明らかにした。この成果は査読付き国際学術誌に受理された(Taguchi et al., in press)。これを踏まえてさらに室内実験と天然試料の計測を行ったところ、生物由来の熱分解天然ガスは13C-13C二重置度がある一定の狭い領域に入る一方、UV、放電当でメタンを重合することにより非生物的に合成した炭化水素は明らかに13C-13C二重置度が低いことが明確になった。また、エタンの熱分解実験を行ったところ、その二重置換度は分解によって変化がほとんどなく、もとの同位体分子情報を保存することが示唆された。以上の結果から、炭化水素の炭素二重置換度が非生物・生物を区別する新しいバイオマーカーとして有用であることを示した。一方、昨年度までに確立した硫酸塩のd34S、D33S、d18O及び34S-18O二重置換度の同時計測法を用いて、太古代・原生代硫酸塩試料の分析を行ったところ、34S-18O二重置換度には、中期原生代をピークとする長期変動が認められることが明らかになった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 9件、 査読あり 12件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 13件、 招待講演 1件)
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