研究課題
基盤研究(A)
100個程度以下の金属原子が会合した超原子、及びそれらが部分的に会合した金属超原子を、サイズ・組成・電荷状態・表面修飾などの多様な構造因子を原子精度で制御しながら合成し、その構造と物性を評価した。その結果、開殻電子系の超原子、水素を含む超原子など前例のない新奇超原子の他に、優れた安定性・光学特性・触媒性能を持つ超原子および超原子分子の開発に成功した。さらに、ヒドリドのドープによって活性化された超原子の新しい変換反応を開拓し、大量・標的合成にむけた端緒を開いた。
物理化学
本研究の成果を通して、新たな超原子や超原子分子が創出されただけではなく、それらの構造因子と物性の相関に関する理解を深めることでナノスケールの物質科学の基礎学理を深化させることができた。また、超安定な超原子や超原子分子を大量に合成するための合成技術の端緒を切り開いたことで、学理に裏打ちされた設計指針に基づいてこれらの特異な個性を最大限に生かした機能性物質の開発が加速されるものと期待される。