研究課題
生体系では、プロトン移動、分子構造変化などのダイナミックなプロセスが連動することによって様々な機能を発現している。しかし、光誘起電子移動、プロトン移動などの個別のダイナミックプロセスのエッセンスを抽出して優れた機能を実現する研究は進んでいるが、ダイナミックプロセスを連動させ新機能を創出する研究はあまり進展していない。今後の重要な研究課題である。本研究ではプロトン移動とスピン転移が連動する新規物質の開発と新機能の開拓を目指した。本年度はプロトン共役スピン転移を示す新物質の電場応答性の検討を行った。プロトン共役スピン転移物質に電極を装着し、電場を印加することでプロトン移動を誘起することを試みた。電場応答はラマン散乱によりCO伸縮振動の変化をモニターすることで検討した。顕著な電場応答が観測できなかったため、電場応答が可能な新規プロトン共役スピン転移物質の開発と電場応答実験に必要な装置のセットアップの改良を行った。さらに、プロトン共役スピン転移挙動の時間分解分光を行うことを試みた。特にドイツのグループと共同で、電子線回折を用いた分析を目指し、測定に必要に単結晶の作製と時間分解分光の予備的な検討を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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