研究課題/領域番号 |
17H01215
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
金 誠培 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60470043)
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研究分担者 |
チッテリオ ダニエル 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00458952)
田辺 幹雄 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任准教授 (00716871)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生物発光 / イメージング / 可視化 / 診断技術 / ルシフェラーゼ / バイオアッセイ / 化学物質 / 発光プローブ |
研究実績の概要 |
当該研究年度に以下の研究を実施し、様々な研究成果を得ることができた。 1)まず、BRET9という新概念の発光システムを開発し免疫毒性物質の定量イメージングに成功した。更に新規合成の発光基質と組み合わせて近赤外線発光のNIR-BRETイメージングシステムを開発した(Chem Commun; Theranostics)。これらの成果を纏めて2報の研究論文をそれぞれ筆頭および交信著者として発表した。更に新規合成した発光基質より従来の100nmも長波長シフトした発光系を開発し、1件の特許出願を行った。これらの成果は、当初の期待をかなり上回る成果だったと自評する。 2) 本研究期間中、多数の化学物質の生理活性を評価する発光分析システムの開発を行い、別途、装置開発と生体試料のイメージングに関する研究を纏めた論文を国際ジャーナルに発表し論文表紙に選ばれた(Photochem Photobiol Sci)。別途、装置開発に関する特許出願をし(特願2020-044513)、本装置に関連して特殊な標準化アルゴリズムを有するソフトウェアを知財登録した(2020PRO-2460)。他にも2件の学会発表をしたことから、当初の目標(論文1報発表)を遥かに上回る成果であったと自評する。 3) 更に、新規ALucや発光基質など、新たな発光素材の開発と応用研究を行い、蛍光と発光を同時に発するTBSTシステムを開発し有名国際雑誌の表紙を飾る論文発表を行った(ChemBiochem)。更に催奇形性物質(レチノイン酸)の定量可視化プローブの開発に成功し、その結果を筆頭著者としてアメリカ化学会雑誌に発表した(ACS Comb Sci)。別途発光基質に関する特許出願をした(特願2020-040703)。この成果は、当初の目標を大きく上回る成果であると自評する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前述した1年間の研究活動により多くの研究業績を得ることができた。有名国際ジャーナルに筆頭または交信著者として5報の研究論文の発表し、別途、1件の有名国際雑誌(Anal Chem)に非筆頭として研究論文を発表した。他に1件のソフトウェア登録(済)、2件の特許出願(済)、アメリカ特許登録1件(済)、民間会社への特許ライセンス契約の締結(済)したことから、当初の目標をかなり上回る研究成果であったと自評する。
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今後の研究の推進方策 |
次の研究期間中、以下の点に重点を置き研究を遂行する: 1)まずALucの結晶構造の解析研究を続き得ると共に、もし結晶が取れた場合発光団近傍の電子の流れと発光メカニズムの解明研究を行う。 2)また、チッテリオGを中心に、これまでの成果を踏まえ更なる発光基質の合成にまい進する。例えば、海洋生物由来の発光酵素の発光色を変える新規基質の合成と多色化を目指す。 3)更に金らは、赤色ALuc(R)の開発を継続して進める。その発光材料としてもメリットを生かして、新たな一分子発光プローブを開発する。8チャンネル光検出装置においてもその超小型化をめざして、装置改良の可能性をする。 4)各研究Gにおいて得られた成果を学会などで積極的に発表していく。
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