研究実績の概要 |
3. スペクトル観測による変調熱プラズマ状態把握 スペクトル観測による熱プラズマ中Al(Fe), Ti, O,Si励起原子,前駆体TiO,SiH挙動の把握の実験を行った。まず,原料を変調同期投入する状態における熱プラズマに対し一次元分光器によりおもに可視光におけるスペクトル強度の時間変化を測定した。これにより,原料蒸気Al(Fe), Ti, O, Si励起原子, 生成されるTiO, SiH分子挙動を把握した。さらに,その軸方向分布とその変化を測定し,これら粒子の輸送を検討した。これに加えて,原料同期投入する遅延時間を変更し,スペクトル強度への影響を検討した。 4. 変調熱プラズマによるナノ粒子生成試験(原料間歇投入効果,プラズマ変調条件固定) 変調熱プラズマに原料を10-19 g/min 程度で大量投入し,Al-doped TiO2ナノ粒子生成を行った。この際に変調条件を一定(Duty=80%, 変調率70-80%)とし,変調波形は矩形波とした。原料投入で間歇の有無で生成ナノ粒子の特性に相違が出るのかを検討した。生成粒子は,SEM, XRD,TEM/EDX, XPS, BET,分光光度計により粒径分布,組成,結晶性などを分析した。その結果変調度により粒径度数分布が変化することがわかった。さらに結晶,組成,ドープ量,吸光特性,分散性を分析した。同様にして,Siナノ粒子/Siナノワイヤ大量生成予備試験を行った。これによりSiナノ粒子も大量生成できることも判明した。 5.ナノ粒子生成中にDMAを用いたナノ粒子リアルタイムサンプリングを行い,粒径度数分布を算出するとともに,多数あるパラメータの粒径への影響をしらべた。DMAで初めてリアルタイムで生成ナノ粒子の粒径度数分布を測定できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スペクトル観測による変調熱プラズマ状態把握は,原料供給時にも測定することが可能であったため,計画通り,熱プラズマ中の特に Ti, O,Si励起原子スペクトル,前駆体TiO,SiHの観測を行えた。これに基づいて原料を変調同期投入する状態における熱プラズマに対し各スペクトル強度の時間変化を時間変化を測定できた。特に2本のTi放射強度を測定できたことによりTiの励起原子の空間分布とその時間変化を測定できることを示せた。さらに,これらの放射強度および励起温度の軸方向分布とその変化を算出することができ,これら粒子の輸送を検討した。原料同期投入する遅延時間を変更した際にも,スペクトル強度が測定できた。また,変調熱プラズマによるナノ粒子生成試験も行うことができた。特に,原料投入で間歇の有と無しの条件で実験でき,これらの結果をひかくするこおで原料間歇導入の効果を検討できた。生成粒子は,SEM, XRD,TEM/EDX, XPS, BET,分光光度計により,粒径度数分布,組成,平均粒径などを分析できた。同様にして,Siナノ粒子/Siナノワイヤ大量生成予備試験を行った。これによりSiナノ粒子も大量生成できることも判明した。 本年度の新しい計画として,ナノ粒子生成中にDMAを用いたナノ粒子リアルタイムサンプリングを行うことができ,さらに,粒径度数分布を測定できることも示すことができた。このことは多数のパラメータが存在する本研究プロジェクトにおいてパラメータ依存性を検討するうえで協力な武器になりうる。 以上のようにほぼ研究計画通りに進んでいることから, 「(2)おおむね順調に進展している」といえる。
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