研究課題
“生物に学ぶ”ことで、これまで“悪者”であった“ばらつき、ゆらぎ”を積極的に活用した新しいデバイス(情報処理、メモリ素子)の実現を目指した。生体が生来備え、巧妙に活用している“情報のゆらぎ:確率共鳴現象による情報処理原理”を利用するという、従来とは全く逆の発想により、新しい情報処理システムの学理を構築し、超低消費電力デバイス(確率共鳴デバイス)を創成することを目指し、具体的には以下のような研究を行った。・熱ゆらぎの効率利用と信号増幅優れた確率共鳴素子(超電力素子)の実現には、環境に存在する熱をいかに効率よく利用できるかが鍵となる。生体ゆらぎ機能を模倣したスピングラス材料を用いたスピンポンピング(マグノニクス)素子、スピン波デバイスなどの実用化デバイスの設計を行った。・共鳴現象を利用した高効率変換熱ゆらぎのエネルギー源として、環境中の熱エネルギーの主な起源である太陽幅射光の中・遠赤外線帯域の光の電気エネルギーへの高効率変換を、新規原理により実現することを目指した。その新しいアプローチとして、共鳴効果を利用した熱エネルギー変換能の増強および積極的蓄積を実現するため、(a)表面プラズモンポラリトン共鳴効果と(b)物性ゆらぎによる確率共鳴効果によるエネルギー変換の2つのアプローチにより、熱エネルギーの効率的利用に挑戦した。
2: おおむね順調に進展している
研究計画に沿って研究・実験を進めており、順調に進展していると考えられるため。
脳機能模倣型のスピングラス情報処理素子の作製を目指す。具体的には、磁性素子としてハードディスク等に用いられているトンネル磁気抵抗素子をモデルとして、磁性(100nm)/絶縁体(1~2nm)/スピングラス材料のスピントンネル接合素子(NTJ)を参考にして、逆スピンホール効果によりスピングラス情報を電気的情報に変換する技術を確立し、脳型低消費電力デバイスの実現を目指す。また、集積化デバイス設計・施策を行う。生体ゆらぎ機能を模倣したスピングラス材料を用いたスピンポンピング(マグノニクス)素子、スピン波デバイスなどの実用化デバイスの設計及び試作を行う。東京大学内にある、全国共同利用施設VDECを利用して、設計及びチップ作成を行う。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 1件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (87件) (うち国際学会 31件、 招待講演 18件) 備考 (1件)
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