研究課題
本研究は、局所場光・テラヘルツ(THz)波変換による超高感度・微量検査のためのTHzバイオチップ、ならびにイメージングシステムの開発を目指すものである。バイオチップについては、これまでに、チップ材料・非線形光学結晶の選定、局所THz波光源とマイクロ流路内溶液を直接相互作用させることでTHz波による微量分析を行うチップで、流路構造やメタアトム(メタマテリアルの基本素子)構造の設計試作を行い、このような局所THz波光源でメタアトムを励起すると、数個のメタアトムからでも十分な共振応答を得ることができることで高感度検出が可能であることを示してきた(APL Photonics 3(5) 51603 2018)。また、イメージングシステムについては、高分解能THz透過・反射融合してきた(APEX12(12) 122005 2019)。2020年度は、チップ開発について、ファノ共振を用いたメタアトムを用いることで、テラヘルツマイクロ流路チップの検査分解能を改善し、Dグルコース溶液を1.4フェムトモル、5-メチルシチジンを600アトモルの濃度で検出に成功した。これらや、世界最高感度である(IRMMW2020発表)。また、イメージングしシステムを用いて、非染色乳がんのイメージングを試み、乳がんの早期がん組織であるDCISの可視化に成功した。この経過は、. Phys. Photonics 2 044008 2020に発表され、プレスリリースでは、朝日・毎日新聞全国版で紹介された。また、バイオアプリイケーション展開のため、蛋白質の加水分解を非破壊かつ無標識での検出を試み、デバイモデルを用いて、タンパク質加水分解時の溶液の誘電特性の時間変化追跡に成功し、Biophysical Journal 119, 2469-2482, 2020に掲載された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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