• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

非構造性帯水層への炭酸ガス地中貯留実現のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H01291
研究機関九州大学

研究代表者

三谷 泰浩  九州大学, 工学研究院, 教授 (20301343)

研究分担者 増岡 健太郎  大成建設株式会社技術センター, その他部局等, 課長代理 (10393711)
山本 肇  大成建設株式会社技術センター, その他部局等, チームリーダー (10417090)
佐藤 晃  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40305008)
北村 圭吾  九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (60618825)
池見 洋明  日本文理大学, 工学部, 准教授 (90380576)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード炭酸ガス地中貯留 / 透過特性 / 室内試験 / ガス透過メカニズム
研究実績の概要

1) 実験装置の改良および改修については,前年度から整備している実験装置の改良がほぼ完了し,適切な温度管理の下で,弾性波測定まで含めた実験が可能となった。さらに,今年度は透過中の試験体の変形を計測できるよう,ひずみゲージを取り付けられるように改良を行った。その結果,透過特性として,炭酸ガスの透過挙動を以前より高度に計測できるようになるとともに,連続フローシステムを適用することで,約2ヶ月間におよぶ長時間の透過実験を安定した環境下で行うことができるようになった。また,透過実験中の弾性波および試験体のひずみ計測も行うことができることを確認した。
2) 炭酸ガス貯留の実験は,昨年度実施したベレア砂岩についで,難透過性岩石である相浦砂岩を用いて,実験を行い,その透過特性の基礎データを取得した。その結果,従来の実験とほぼ同じ結果を再現できることを確認できた。
3)今年度は,3次元CTを用いて,試験体前後の試験体のスキャンを行い,ベレア砂岩および相浦砂岩の空隙構造を3次元的に求めた。この結果を用いて,インベ-ションパーコレーションモデル法による数値シミュレーションを実施し,透過現象のモデル化を行った。その結果,選択的なCO2の流れの可視化に成功した。
4)CO2透過・貯留・溶解・固定化モデルの開発については,基礎的な検討を行い,試行的に長期の超臨界CO2の透過実験を行った結果を前述した3次元CTを用いて試験前後の状況を確認したが,それほど大きな変化が確認されず,来年度に向けての課題が抽出できた。これについては,試験終了直後の試験体内の状況を如何にして確認するかが大きな課題としてあげられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験装置の改良がほぼ終了し,長期間に亘る実験を行うことができることを確認している。また,3次元CTを導入したことで,これまで複数の断面しか計測できなかった空隙分布をより厳密に測定できることとなり,詳細な岩石構造を3次元的に把握することができ,その結果,数値シミュレーション,化学的定着機構の解明に役立つことを確認できた。このように実験,解析ともに当初想定していた研究目標を達成することができた。しかしながら,幾つかの実験装置の改良に関する課題,長期挙動を把握するための実験手法の開発,数値シミュレーションの課題なども明らかとなっており,これらについて,対応する予定である。

今後の研究の推進方策

今後は,透過メカニズムの可視化に関するシミュレーションの高度化を行うことがひとつの課題として明らかとなったため,あらたな数値解析手法の導入を行い,シミュレーションを実施する予定である。また,CO2の化学的定着機構の解明については,実験方法を改善することも必要であることが,明らかとなったため,今年度は幾つかの実験を行い,より詳細なメカニズムの把握を行うとともに,数値モデルの構築についての検討を実施する予定である

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Capillary number impacts on geophysical parameter estimation of CO2-brine flow in porous sandstone2021

    • 著者名/発表者名
      Keigo Kitamura*, Hiroyuki Honda, Osamu Nishizawa, and Yasuhiro Mitani
    • 雑誌名

      International Greenhous Gas Control

      巻: 107,103228 ページ: CD

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of Ore Pass Hang-Ups in Long Vertical Ore Passes by 3-D DEM2020

    • 著者名/発表者名
      Akira Sato, Haowen Tang
    • 雑誌名

      International Journal of Mining Engineering and Mineral Processing

      巻: 9(1) ページ: 1-9

    • DOI

      10.5923/j.mining.20200901.01

    • 査読あり
  • [学会発表] 風化岩石を対象とした水分移行特性改善効果の評価2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤晃,森拓実,小畑三千代,松下由香里
    • 学会等名
      第15回岩の力学国内シンポジウム
  • [学会発表] 鉱石投入に伴う露天掘鉱山立坑壁面破壊プロセスシミュレーション2021

    • 著者名/発表者名
      田中滉大,佐藤晃
    • 学会等名
      資源・素材学会2021年度春季大会
  • [学会発表] ベレア砂岩の葉理に対するCO2透過の異方性に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      舟津薫輝, 三谷泰浩, 本田博之, 谷口寿俊, 北村圭吾, 八木裕之
    • 学会等名
      第15回岩の力学国内シンポジウム講演論文集
  • [学会発表] 難透過性砂岩への超臨界CO2繰返し注入条件下におけるCO2透過特性に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      八木裕之,三谷泰浩,本田博之,谷口寿俊,舟津薫輝
    • 学会等名
      令和2年度土木学会西部支部研究発表会
  • [学会発表] 写真解析におけるGNSS受信機の座標計測効果2020

    • 著者名/発表者名
      黒木貴一,後藤健介,池見洋明
    • 学会等名
      日本応用地質学会研究発表会講演論文集
  • [学会発表] 桜島東麓の火山山麓の地形面区分2020

    • 著者名/発表者名
      黒木貴一,池見洋明,後藤健介,宗建郎
    • 学会等名
      日本地理学会発表要旨集
  • [学会発表] 立坑払出口形状を考慮したDEMによる立坑閉塞現象の分析2020

    • 著者名/発表者名
      森 拓実,佐藤晃
    • 学会等名
      資源・素材学会九州支部「若手研究者および技術者の研究発表会」

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi