研究課題/領域番号 |
17H01325
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
平田 秋彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授(任期付) (90350488)
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研究分担者 |
渡辺 健太郎 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (40582078)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 局所電子回折 / アモルファス / 電池用負極材 / リバースモンテカルロ法 |
研究実績の概要 |
今年度は、初期物質(充放電前)のアモルファス構造の解析を以下の通り行った。 *アモルファスTiO2の構造解析 TiO2はリチウムイオンの高い拡散能を持つため、高速充放電が可能な負極材として期待されている。アモルファスTiO2の構造についてはこれまで解析がなされてきており、局所構造がアナターゼあるいはブルッカイト結晶に類似するという報告がある。本研究では蒸着法により成膜したアモルファスTiO2に関してオングストロームビーム電子回折実験および局所リバースモンテカルロ法による構造モデリングを行った。その結果、局所領域から得られた電子回折パターンはアナターゼ型結晶を歪ませた構造でよく再現できることが明らかとなった。 *アモルファスSiOの構造解析 SiOはグラファイトに替わる次世代の高容量負極材料として期待されているが、その構造は非常に複雑である。従来、アモルファスSiOはナノスケールで(Si+SiO2)に不均化していると言われてきており、Liを多く収容できるナノSiが分散したヘテロ構造であると考えられている。このようなナノヘテロ構造からの電子回折データは複雑であり、それを解釈するために可能性のある多くの構造モデルを作製し、オングストロームビーム電子回折の計算を行った。特にSiO2中に分散しているナノSiが結晶の場合と非晶質の場合について検討を行ったところ、実験で得られたパターンは非晶質Siからのものであり、結晶Siである可能性は非常に低いことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標どおり、前年度に開発したオングストローム電子回折法および局所リバースモンテカルロ手法をアモルファス電池用負極材に応用することで成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これらをさらに電池の充放電過程へ応用するとともに、新たな解析手法の開発も行っていく。
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