研究課題
2021年は、表面プロトニクスを活かした触媒反応の一つとして、電場中でのRWGS(逆水性ガスシフト)を主に検討した。高温が必要なRWGS反応を、低温域で高活性・高選択的に進めることを狙った。ZrTiO4を担体として電場中で含浸法とRuコロイド粒子の担持の2種類の調製方法で活性の比較を行った。Ruコロイド粒子の担持により生成した1.5wt%Ru/ZrTiO4が高い活性を示したため、1.5wt%Ru/ZrTiO4を触媒に用いた電場RWGSの反応機構及び電場印加効果を解明するため、温度変化試験、W/F変化試験、分圧変化試験、反応ガス中のH2/CO2比変化試験を行うことで速度論的検討を行った。さらにin-situ DRIFTS測定を行い、反応雰囲気下での触媒表面の反応種を調べた。この結果、従来のRWGS反応では活性を示さない低温領域において、高分散Ru触媒が電場により高いRWGS活性を示す一方で、Ru粒子径が大きい場合は副反応であるCO2メタネーションの進行の方が支配的であることが示された。さらに、従来のRWGS反応では、原料ガス中のH2濃度の増加や接触時間の増加によりCO選択性が著しく低下するが、電場印加によりそうした条件でも高いCO選択性が得られることが明らかになった。これは表面プロトニクスによるもので、担体への速い水素移動が、Ru表面に吸着したH原子とCOの副反応を抑制しているためと考えられる。反応機構としては、加熱による触媒反応の場合、formateを介した経路を経て、COに分解された。一方電場反応では、生成された格子酸素欠陥が低温でのCO2の活性化に関与することが確認された。このことから電場印加により、H2のスピルオーバーとCO2の還元反応の2つの反応に関わる電荷移動を促進するため、低温での高活性化に寄与すると考えられる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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