研究課題
本研究は、オンデマンドゲノム編集システムの開発と、その応用である生殖不全マウスの重点解析を2つの大きな柱にして研究を進めている。さらにサブテーマを設けて目標を明確にし、連携研究者を担当者に配置することで、問題点の早期発見・解決および効率的に研究を推進している。令和2年度もCRISPR/Cas9 システムゲノム編集システムの改良を進めた。前年度までに、標的20塩基直下のPAM配列として (NGG) ではなく、(NGN) を認識するNGN型Cas9を用いる場合、受精卵ゲノム編集は難しいものの、ES細胞では比較的効率的にゲノム編集できること示していた。令和2年度は、NGN型Cas9が優位性を発揮できる部分として、CAGリピートを対象としたゲノム編集への応用を試みた。ハンチントン病の原因となる140-150近いACGリピートを有するヒト患者由来のHtt遺伝子を有するトランスジェニックマウス系統R6/2の受精卵およびES細胞を樹立して、Cas9-NGを用いたCAG配列の切断と短縮を検討した。その結果、受精卵でCAG短縮は難しいものの、ES細胞ではin frameでCAGリピートが10程度にまで効率よく短縮できることを確認した。さらに、処理ES細胞からキメラマウスを作製した場合には、脳でのハンチンチン凝縮が殆どみられないことを確認した。さらに次世代ではハンチントン病の症状が全くみられなかった。これらの成果を纏め、Cas9-NGを使うことで、CAGリピート病の治療の可能性を示す論文を投稿した(Minor revision)。また、精巣特異的に発現する遺伝子を多数、KOし、精巣由来で精巣上体の分化制御に働くNELL2や、卵との融合に必須な精子因子を新たに4つ同定し、それぞれ論文発表した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 14件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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