研究課題/領域番号 |
17H01401
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐谷 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80264282)
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研究分担者 |
信末 博行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (90525685)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | がん関連線維芽細胞 / アクチン細胞骨格 / MKL1 |
研究成果の概要 |
種々の間質細胞(線維芽細胞、間葉系前駆細胞および脂肪細胞)を骨肉腫細胞の培養上清で処理するとMKL1が活性化し、がん関連線維芽細胞(CAFs)への転換が誘導された。種々の間質細胞にMKL1の発現を惹起すると、CAF関連遺伝子の発現が増加し、CAFの特徴を獲得した。また、転写因子のSRFとの結合が、MKL1誘導によるCAF分化に必要であることも分かった。さらに、ROCK阻害剤のFasudilはアクチンの動態変化を介してMKL1を負に制御すること、またin vivoにおいてCAF分化を阻害し骨肉腫形成を抑制することを見出した。以上から、MKL1がCAF分化の主たる制御分子であることが分かった。
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自由記述の分野 |
腫瘍生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転写因子あるいは転写制御シグナルを標的とした薬剤が見出されていない現状において、本研究成果は、アクチン細胞骨格の動態を低分子化合物によって変化させることでMKL1および転写因子を調節し、それによってCAFへの分化を阻害し微小環境制御により腫瘍抑制するという先駆的治療法の開発の可能性を見出しており、学術的に新しい概念を生み出すだけでなく、社会的意義も極めて大きい。
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