研究課題
本研究は、クロマチン構造を形成したDNA上での相同組換え反応の解明を目指して、特に相同鎖検索機構の過程を中心に研究を推進している。ゲノムDNAの二重鎖切断損傷の修復や減数分裂期の遺伝的組換えにおいて、相同組換えは必須の機構である。本年度は、ヌクレオソームとRAD51との複合体との三者複合体の再構成を行い、安定な複合体の調製方法の確立に成功した。そして、ヌクレオソーム-RAD51複合体の立体構造解析のために、東京大学現有の装置(Titan KriosおよびTalos Arctica)を用いて、クライオ電子顕微鏡による画像データ取得を行った。現在、高分解能での三次元構造決定を行うために必要な画像データの取得を行なっており、予備的な解析によって、低分解能での三次元構造の解析にすでに成功している。本解析にに必要なサンプルの凍結は、東京大学現有の装置を使用することで行った。また、RAD51と協働的に働く因子としてRAD52が知られている。昨年度までに、RAD52と単鎖DNAとの複合体のX線結晶構造解析を行い、立体構造の解明に成功し、RAD52と単鎖DNAとの複合体には、2種類のDNA結合様式が存在することを立体構造レベルで明らかにした。これらの解析を含めて、これまでRAD52の立体構造解析は、良質な単結晶が得られるC末端領域を欠損した変異体を用いた解析のみであった。そのため、全長のRAD52の立体構造情報に関しては、いまだ明確にされていない。そこで本年度では、全長のRAD52の立体構造を解明することを目指して、クライオ電子顕微鏡による画像データ取得を行った。そして、全長のヒトRAD52のクライオ電子顕微鏡用サンプルの調製方法の確立を行い、初期の画像データの取得に成功した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 7件)
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