研究課題
基盤研究(A)
私たちの体は、頭尾・背腹・左右という3つの極性(体軸)を持っている。このような形態の非対称性は、発生のどの時期において、どのような仕組みで生じるのか? 本研究では,マウスの胚発生において、左右と頭尾の極性の起源を解明する。左右の極性については、対称性を破る働きをする繊毛の形成・運動動態の制御の機構と,繊毛運動が作り出す水流シグナルが受容される機構を明らかにする。一方、頭尾の極性や着床前胚における細胞分化の非対称性の起源については、卵細胞で発現する母性因子に注目する。
発生生物学
体の極性の起源は発生生物学の基本命題である。左右の極性の起源には近年で大きな進展があったが、まだ多くの本質的な問題が残されている。頭尾の極性の起源については、他の生物では卵細胞に遡るが,哺乳動物では全く不明である。これらの問題を明らかにすることで、哺乳動物の体が形成される仕組みの理解に、大きな貢献をする。