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2020 年度 実績報告書

コムギいもち病菌の強病原化・パンデミック化機構の解明と持続的抵抗性遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17H01462
研究機関神戸大学

研究代表者

土佐 幸雄  神戸大学, 農学研究科, 教授 (20172158)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードPyricularia oryzae / Magnaporthe oryzae / wheat blast / effector / avirulence gene / resistance gene / wheat
研究実績の概要

本年度は、いもち病菌の病原性の強化に関わるエフェクター1つとそれに対抗する方法を見出した。我々はすでに、コムギのコムギいもち病抵抗性遺伝子として、Rmg8を同定していた。また、世界各地から収集された普通系コムギ在来品種約520系統をスクリーニングし、Rmg8保有系統を約20系統見出していた。これらRmg8保有系統は、コムギいもち病菌Br48に抵抗性である。これらに、Br48+PWT4(Br48にエンバク菌のコムギに対する非病原力遺伝子PWT4を導入した形質転換体)を接種したところ、感受性となる系統をいくつか見いだした。このことから、PWT4は、Rmg8の抵抗性を抑制するエフェクター機能を持っていると考えた。興味深いことに、抵抗性系統のすべてがこの抑制を受けるわけではなく、Br48+PWT4に抵抗性を示すRmg8保有系統も存在した。この差は何によるのかを検討したところ、PWT4による抑制を受ける系統はRwt4(コムギのエンバクいもち病菌に対する抵抗性遺伝子)を持っていないが、抑制を受けない系統はRwt4を持っていることが判明した。すなわち、抑制を受けない系統は、Rmg8を抑制しようとするエフェクターPWT4をRwt4により積極的に認識し、抵抗性を駆動していた。
一方、PWT4のいもち病菌集団における分布を調べたところ、PWT4は別種P. pennisetigenaからエンバク菌(P. oryzae)へ水平移動してきたことが示唆された。PWT4は種を超えて水平移動するのであるから、P. oryzae種内の移動はより容易に起こると考えられる。もし、コムギ菌がPWT4を獲得すれば、Rmg8保有コムギ品種のブレイクダウンを起こすことが予想される。以上の考察から、「Rmg8をコムギいもち病抵抗性育種に用いる際は、Rwt4を合わせて導入する必要がある。」と結論した。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Suppression of wheat blast resistance by an effector of Pyricularia oryzae is counteracted by a host specificity resistance gene in wheat is counteracted by a host specificity resistance gene in wheat2021

    • 著者名/発表者名
      Inoue Yoshihiro、Vy Trinh Thi Phuoug、Tani Daichi、Tosa Yukio
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: 229 ページ: 488~500

    • DOI

      10.1111/nph.16894

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effectiveness of the Wheat Blast Resistance Gene Rmg8 in Bangladesh Suggested by Distribution of an AVR-Rmg8 Allele in the Pyricularia oryzae Population2020

    • 著者名/発表者名
      Horo Jemal Tola、Asuke Soichiro、Vy Trinh Thi Phuong、Tosa Yukio
    • 雑誌名

      Phytopathology

      巻: 110 ページ: 1802~1807

    • DOI

      10.1094/PHYTO-03-20-0073-R

    • 査読あり
  • [学会発表] 越境性病害に対する取り組みーコムギいもち病を例にして2021

    • 著者名/発表者名
      土佐幸雄
    • 学会等名
      日本植物病理学会大会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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